全校生徒が集合する避難訓練中、
学校一の人気教師・奥澤潤が屋上から飛び降りた。
誰もが彼の自殺を疑わず悲しんだ。
しかし黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで状況が一変し…
語り手が次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りになる。
秘められた真実が心をしめつける、著者渾身のミステリ。
ぐるりと一周してタイトルに帰結するのは気持ちがいい。
しかし悲しいお話だった。
奥澤先生がどんどん憔悴していった理由が後半に明らかになるが
正義感の強い人は嫌悪感を抱くだろう。
受験生時代を思い出す。
平和だった。