運よく、当日券が取れたので東京グローブ座にコント舞台「Potsunen P+」を見てきました。
これで、「ラーメンズ」「KKP」「Potsunen」と小林賢太郎の代表3公演見ることが出来た。
今回のP+は小林氏が、2012年に初の海外公演でやったネタを中心に、
本公演用に作ったハンドマイムを加えた90分の舞台でした。
海外公演でやったネタという事で、基本的には「動き」「音響」「映像」を使ったネタが多く、
いままでの「Potsunen」の一人しゃべりネタというよりは「小林賢太郎ビデオ」に近い感じ。
したがって、本編の面白さは観客の見る力にもかかっており、
舞台で動き回る小林氏の演じる旅芸人「ポツネン氏」が、今どこにいて、何をしているのか?を
想像しながら見ていくスタイルでした。
本公演は1本10分前後の短編をいくつかやっていき、その都度設定が異なっている。
2本目のネタでは、抜き足差し足で移動し、騒音にたいして「静かに!」のジェスチャーをし、
机の上でなにかをめくる仕草をしているところから、場所は「図書館」なんだな。と、観客に思わせ、
そして、要所要所で騒音が読書の邪魔をするという、ネタ自体は非常に古典的で王道。
しかし、そこは小林賢太郎。
観客のおそらく今こういう状態だろうと思っていることを逆手に取り、
マイムならではの「なにもないものをあるように見せつつ、実は本当に何もなかった」
というような裏切りを見せる。まぁ、これも古典的なんですが(笑)
個人的に好きなネタは「んあえお(naeo)」というネタ。
「ん」と「あ」と「え」と「お」だけの4語のみで9分弱の舞台を作り上げた。
使う4語で、その時々の言い方とマイムひとつで、見事に情景を思い浮かべさせ、
4語での「起承転結」を作り上げているのがとても面白かった。
「ん(なにかに反応する)」
「あ(なにかに気付く)」
「えぇ(なにかに驚く)」
「お~(なにかに納得する)」
「ん(人に呼ばれる)」
「あぁ(あの件はどうだったか聞かれる)」
「え~・・・(どうっだたかな考える)」
「おお(そうそう、そうなったよ!というようなリアクションをする)」
「んーーー!(ドアが開かない)」
「あーーー!(どうしても開かない)」
「えーーー!?(こんなに開かないもの?)」
「おう・・・(となりにいた人に、そのドアそんなに開かないのと聞かれての返事)」
この、ドアが開かない部分を結構最後まで引っ張り、
その結果、この9分間の出来事でも「起承転結」で締めている事に、小林イズムを感じました。
ネタ中のちょっとしたボケも、そのコントの終盤、またはその公演の最後に効いてくる伏線にしてたり、
いろいろと「小賢しい」ほめ言葉として。
しかし、やはり小林さんの持ち味は、マイムや奇術もさることながら「しゃべり」にあると思う。
とても通る声で、声幅も広く、モノマネも得意としているので、
一人でも何人もいる設定というコントもこなせてしまう。
なので、今回の「言葉が通じない相手にも通じるコント」はその喋り部分が圧倒的に少なく、
今までの作品のファンである自分からすると物足りなさを感じずにはいられなかった。
KKPの舞台にしても、演劇なので大きいストーリーのイチ登場人物になってしまうので、
小林賢太郎を強く感じたい時、やはり思うのが「ラーメンズ」のコントをまた見てみたいという気持ち。
片桐さんもまた舞台をやるらしく、少なくとも今年はラーメンズ復活はなさそうだけど、
また、舞台で見れるときがきたら、こんなに楽しみなことはない。
そんなことを考えつつ、「TOWER」か「DROP」のDVDでも見ることにしよう。
- 小林賢太郎テレビ 3 [DVD]/ポニーキャニオン
- ¥3,500
- Amazon.co.jp