何か思いやりが足りないって言われた。
確かに昔から俺はよくそう言われた。
自分でも気付いていても、無意識で口に出して言ってしまう。
情が熱く、人の死を心から悲しむ人は多い。
でも俺は自分の中で特別な人数人だけにしかその感情が湧かない…
死を何とも思わなくなった。
あの日の出来事が俺の考え方を変えた。
弟の死。
昨日まで遊んでたのに、朝は一緒にご飯食べてたのに、午後には白い布を被って布団で寝ていた。
突然の別れ。
事故によって、姿を変えて家に帰ってきた。
その時、俺は自分の中で何かの変化に気が付いた。
考え方が変わってしまった。
所詮人間も弱い生き物であり、肉体は魂の宿。
ずっとそう考え逃げているのかもしれない。
今やあの男に対しては、憎しみや恨みしかない。
でもあいつにとっては大切な人であり、自分に近い人の命は皆平等だと言う。
俺にはそういう情がない。
人に優しく出来ても、思いやる気持ちがない。
人は大切な人が死んでしまったら、楽しかった思い出が蘇る。
人は恨んでいる人が死んでしまったら、憎しみと苦しんだ時の記憶しかないから、その事しか思い出せない。
俺は間違っているのでしょうか?
ただ、誰かを思いやる気持ちは確かにないかもしれない…
でも話をして、何かが動いた気がする。
自分の間違いにも気が付いた。
忘れてはいけない事も忘れてしまっていた。
これからどうしようか…
俺も思いやり持てるかな…