我々が馬場でうろうろしている間にも、次々に遠野中から団体が集まって来る。その行列は途切れることがなく、馬場には常に黒山の人だかりが出来ている。
なんと一般企業も自前の神輿で参列している。泉商店は花巻に本社を構え、遠野・盛岡・大船渡にも支店を構える建設資材業者だ。建設系の企業は何かと地域と深くかかわることが多いが、それにしても支店があるだけの地域に於いて自前の神輿まで投入して祭りを盛り上げる姿勢はとても嬉しい。
再び本殿前に目を移すと、獅子舞が奉納されているところだった。遠野の神というと獅子舞と似ているゴンゲサマが各地に住むというイメージだが、こうして獅子舞も奉納されることがある。
獅子舞は、ゴンゲサマには無い赤く長い舌を持ち、人の頭を噛むことでその人に憑いている邪気を食うとか、噛み付く=神憑くという縁起の良さがあるという云い伝えで有名だ。元々は、インドの遊牧民族が屈強な野生のライオンを模した踊りを踊ったことが由来らしい。
ゴンゲサマも子供の頭を噛むことで、頭痛など頭の病を癒すとか。似ているようで違うが、やはり共通点もある存在なのだ。