昨今の昭和への懐古や、アメリカの25年ル
ールなども関係してか、クルマもこの時代
に生産されたものが持て囃されていて最近
の旧車価格は異常なほどの高値で取引され
るようになった。
このようなことも影響してか、最近BSなど
で昭和のクルマを取り上げた番組が幾つか
企画、放映されている。
昨年の3月までであれば
『昭和のクルマといつまでも』がBS朝日で
放送されていたし、
現在進行形ならNHK BS1 BSPで『さがせ!
幻の絶版車』が不定期ながら放送されてい
る。
この番組は昨年の大晦日から今年の元日に
かけて(新作となる)第5弾の前段として過
去に放送した4作品を一挙に放送してから
元日夜に(新作を)放送するというかたちを
採り、『スペシャル』と銘打った回を除き
全てを一挙に見ることが可能だった。
今回の新作【第5弾】もこの流れを踏襲し、
ミツビシ・コルト800ファストバック、
ホンダ・T360スノーラ、
という、なかなかのマニアックぶりと言
うか、白眉なチョイスをしていた。
中でもミツビシ・コルト800ファストバッ
クは第2弾で紹介されたスズキ・フロンテ
800同様、もくもく白い煙を吐き出す3気
筒2サイクルエンジンだったことで騒音と
排ガスの問題が災いし全く売れなかったと
言われている。
そこで基本デザインとコンポーネントを踏
襲しつつ、煙も少なく静かな4サイクルエン
ジンに換装されたコルト・1000F / 1100F
にすぐさま取って代わられた。
このことから販売台数(残存数)が非常に少
ない為、今から20年くらい前には既に800
ファストバックは絶滅したと言われていた。
番組ではこのクルマを探す手掛かりとして、
14年前に刊行されたある旧車雑誌の記事に
注目していた。
そこには不動車となり、廃車置き場に持ち
込まれるも貴重なクルマのため、潰さずに
レストアベースとして引き取り手を待って
いることを伝える内容が載っていた。
その後、これを発見したあるカーマニアが
サルベージし、レストアを行っていると言
うところまで突き止めた番組は現オーナー
にインタビューを敢行している。
しかし、引き取ってからレストアを始める
も、エンジン部品が揃わず滞っているとの
ことで10年あまり放置状態のままとなって
いた・・・
なので、
すぐに公道復帰することは不可能・・・
・・・と言うことで、
公道を走れるクルマを探すことは出来ず、
ここでコルト800ファストバックの捜索は
暗礁に乗り上げた。
結局、このままでは番組的に不完全燃焼と
なるので、代替案として4サイクルエンジン
に換装されたコルト・1100Fに白羽の矢を
立て捜索を再開。
1100Fでも十分にレアな車で難航していた
が、こちらは千葉県で発見され、無事披露
もされた。
この番組にぴったりの良い選曲だと思う。