日野自動車のディーゼルエンジン不正問題

は深刻な事態に発展してしまった。


主に『レンジャー』や『ブルーリボン』に

搭載される中型車用エンジン「A05C」の

NOx処理装置での不正発覚に続き、今回の

『プロフィア』『セレガ』『その他特装車

』などに搭載される大型車用エンジン

「A09C」「E13C」などが車両の燃費測定

で不正・・・。


ついには『デュトロ』や『ポンチョ』『

リエッセ Ⅱ 』などに搭載れる小型エンジン

「N04C」までも同様の不正を行っていたこ

とが明らかとなった。


これで日野自動車のトラック・バスなどで

今買える車輌はホームページを見る限り

バスだと日野自動車といすゞ自動車で協業

している『ジェイ・バス』製造のいすゞ製

エンジン搭載路線バス『レインボー』と

『ブルーリボン』のみ。


そしてトラックは『デュトロ』1.5㌧車の

一部の車輌(トヨタのGDエンジン搭載車)

のみとされている。


世間的にこの件は商用車だからか、乗用車

よりも地味な話題として扱われているよう

に感じられるが、

トラックやバスは輸送物流業界のみならず、

建築土木電気工事業、公共サービス業、

観光業等、俗に言う『はたらくくるま』と

して多方面で活躍しており社会を支えている。


このような商用車は酷使されるし、原価償

却もあって定期的に新調されるものである

上に、車種によっては纏まった台数をユー

ザーが発注することもある・・・。


まだ『今から車輌を検討して注文しよう!

』と言う段階のユーザーなら、他社の車輌

を吟味すればそれで済む話となるが、


この突然の出荷停止で打撃を受けているの

は既に発注済みで納車待ちしているユーザ

ーだろう。


ただでさえ昨今の半導体不足で納期が延び

に延びていたことを承知で契約し、待ちに

待っていよいよ納車日目前!ってタイミン

グでこうした出荷停止を食らったのだから、

代替車をメーカーが手当てしてくれるわけ

もないだろうし←(そもそも出荷停止してん

だから代わりになる車輌など用意できる訳

がない)


今から他社に発注しても間に合う筈もない、

と正に退っ引きならない状態となっている

ことだろう。


また、新車が納車されるから、既存の車輌

を入れ替えと同時に廃車にするという手続

きをしていようものなら、車輌管理に穴が

開くことも考えられ、あちこちで大きな影

響が出ることは容易に考えられる・・・。



そもそもなぜ出荷停止となったのかだが、

件の測定不正により御上がエンジンの型式

認定を取り消したことが原因だ。


これが取り消されると、

『原動機の型式(例E13C)』が・・・


→車検証に表記できない


(・・・ということは)

車検が受けられない 


(・・・ということは)

ナンバーが交付されない


(・・・ということは)

公道を走れない


(・・・ということは)

→公道を走れない車の出荷を御上は認めない


(・・・ということは)

出荷も販売も出来ない


ってことになる。


これ、実は何気に非常に重い処分が下され

ている。

このことから今回の不正はとても悪質であ

ることを示している。





問題となったエンジン群は今後、

改良の時間がかなり必要となるだろうし、

完成後には当然ながら再測定を行いクリア

しなければならない。


また、再測定の手続きや試験をすぐに行い、

結果も直ぐに出すことは難しいだろうから、


恐らくそう簡単に

『近日発売再開』とは考えにくい・・・。


今後と言えば、型式再認定とともに顧客へ

の賠償問題やペナルティにも対応せねばな

らなくなるだろう(既にアメリカではそのよ

うな動きも出ているらしい)から・・・


早急に出荷再開が見込めないとなれば、

利益か出ず、会社存続が厳しくなってくる。


これから日野自動車はどうするつもりだろう?


このまま何も手を打てず、いすゞ自動車に

吸収されてしまうのか?

(ちなみに日野自動車はその昔、元々いすゞ

から部門が分離して生まれた会社だったり

するから、母体に還るようになるとも言え

るが・・・)


それとも、

いすゞ自動車のトラックをOEM供給し、

エンブレムだけ『HINO』に付け替えて販売

することで急場を凌ぎ、その間に自社製の

開発を完了させるのか?


いやいや、一時期提携していた『トレイト

ン(ドイツ)』傘下の『スカニア(スウェーデ

ン)』製を改良したり、

アメリカ向けはカミンズ製エンジンを搭載

して乗りきる方法を採るのか?


はたまた、親会社の『トヨタ』が

『ヒト』・『モノ』・『カネ』の力で援助

し、日野とともにこの事態を終息させるの

か・・・?


・・・とまぁ、

素人考えだから上の中に正解があるのか

無いのかすら分からない。


何れにしても当分の間、日野自動車が茨の

道を歩まねばならないことは確かなのだが、

それでも何とか自力で信用回復をすべきだ

と思う。


なぜなら、長年『HINO』を支えてきたのは

社員だけではなく、

数多く存在するサプライヤーたちの知恵と

努力の賜物でもあるのだから。