今もブリヂストンの高級タイヤブランドと
して確固たる地位を確立している『レグノ』
そのイメージソングとして当時使用されて
いた曲。
以前、
同タイヤのCMでピーボ・ブライソンと
ロバータ・フラックが歌う
【Tonight, I Celebrate My Love】
(邦題:愛のセレヴレィション)について書
いていたが、
この頃のレグノのCMはこの他にも、似た
シチュエーションでフィル・コリンズが歌う
【One More Night】のバージョンもあった。
(こちらもまた名作と言える)
このどちらも共に、
男と女の『甘いオトナ』の演出が為されて
いたのだが、
そんな中、今回記事で取り上げる
The Alan Parsons Projectの【Time】(邦題 :
時は川の流れに)が使われるパターンは、
前の2パターンとは少しCMの作風が異なっ
ていて、『大人の男たち』というアプローチ
での演出をしていた。
なので、当然キャストには男2人が登場し、
クルマは前2作のクラシック・フェラーリ
とは打って変わって、
当時世界初のフルタイム4WDを搭載し、
四輪駆動の概念を大幅に変えたとして世界
中に衝撃を与えた『Audi Quattro』(通称:
ビッグ・クアトロ)が登場していた。
映像は、この2台のアウディ・クワトロが
並走する姿がスローモーションで描かれる
だけなのだが、
その映像の間にはエンジニア&ドライバー
と目される男二人が、クルマの特性を考慮
したコーナリングテクニックについて語り
合っていると思われる映像が数秒挟まれる。
僕はこのCMを視ていると、映像に出てくる
彼らに、アラン・パーソンズと、
エリック・ウールフソンが重なり、
自身の曲作りについて真剣に語り合って
いる姿を投影してしまう・・・。
そして、
この曲はそうして生まれて来たかのように、
CM中で幻想的で美しい旋律を奏でる。
誰もが経験するであろう内容の歌詞に
切ないものを感じずにはいられないが、
このような血の通った人間味ある
The Alan Parsons Project の作風・・・