ホンダ・アコードワゴンのCMに使用された曲、マスター・オブ・ファンクのクールライクオーティス。

僕はあまりMaster Of Funkについては知らないのでここで大したことは書けないが、この曲をCMで知り、単純に「カッコいい」と思いこのアルバムを買った。

某曲に似ていると言われたりもしていたが、僕は別にこれはこれでカッコいいと思うし、CMにとても良く合っていたと今でも思っている。

ホンダはアメリカ仕様のバリエーションにあったステーションワゴン『アコードワゴン』(ホンダの米国オハイオ工場で製造し輸入、正規販売していた車輌)の日本向け仕様のCM曲としてこれを使用した。


当時『左ハンドルの米国製ホンダ車(右ハンドルもあったが)』というバタ臭さが受けた先代CB9型の人気を受け継ぎモデルチェンジされ2代目として販売されたこの型(CD型)も先代以上の人気を博し街の此処彼処で当時は見かけた。


このUSワゴン、フロント部分は日本製のセダン型とほぼ変わりはなかったが、リアセクションが流麗なステーションワゴン型となっているのに加えて、(1995年頃の法改正で認可されるようになったのか?)マイナーチェンジ後の車輌にはリアバンパーの両サイドにUSDM(US Domestic Market=アメリカ国内仕様)マニア垂涎のリアサイドマーカーランプが純正装着された挙げ句、ご丁寧に点灯までするようになっていた。


(※アメリカでは夜間に車輌側面の前後ろが判るようにフロント部はアンバー(橙)、リア部はレッド(赤)で発光させなければならない決まりがある)


そこにホンダは注目しCMで強調するあたりが、「さすがホンダ!あざといなぁ~」と思ずには居られなった。


が、反面、そこにアメリカを感じられて『でも、カッコいい・・・』と思ってしまった。


【リアバンパーサイドで点灯するマーカーランプを強調するCM】

これに影響されたのか、当時のマツダ・RX-7やトヨタ・スープラ、日産フェアレディZなど、北米でも販売していた車輌の一部でリアサイドマーカーランプを標準装備する流れもあった。

※ちなみに、フロントサイドマーカーランプは日本では認められていなかった為、アコードワゴンをはじめとした全ての日本仕様は北米仕様でアンバーの部分がクリアの無点灯、もしくは点滅するサイドターンシグナルランプ(所謂方向指示機)に変更されていた。

その後、日本の法規が変わったからか、ブームが去ったからかは定かではないが、今ではリアサイドマーカーランプの標準装備された日本国内で販売される日本車は見られない)

話が逸れたが、CM演出が限りなくアメリカを意識していたのは、このランプのみならず、クルマ自体がアメリカ製であったことは言わずもがな、アメリカでもアコードが日本以上に市民権を獲ていたことのホンダの自信と、そのイメージに当時の日本人が憧れを持っていることも知っていた『適度なあざとさ』が巧く表れた結果だったと言えるだろう。


最近、ホンダの昔のCMは演出も選曲も印象に残るものが多かったが、今はこういうのが少なくなったと嘆く声がある。


ただ、それは仕方ないことだと思う反面、そうでもないんじゃない?とも思う。


クルマに昔ほどのステイタス性は、もうとっくに無くなってしまった。

今は燃費や環境性能、衝突安全性という、現実的な訴求をすることが大命題。

これらにカッコ良さを結びつけるのは難しいことだと思うから。


しかし、それでもヴェゼルのCMとかは先代ならSuchmosとか、最近のなら藤井風など、どれも悪くない気がする。


まだまだホンダのCMは頑張っている方だと思うけどね。