イラン遠征…総括 | 極真・柴田の「言いたいことは言う、ブログ!」

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でも、気を使って言いたいことなんか言ってませんけど…




今更ですがイラン遠征の総括をしたいと思います


実は今年ノルウェーに行く際、通常のスカンジナビア航空を使ってデンマーク・コペンハーゲンで乗り換える方法ではなく…


カタールエアラインを使ってカタール・ドーハで乗り換えヨーロッパに行く方法をとりました


初めて中東のドーハを経由するので、昨年末から今年初めごろにかけて中東でのいろいろな問題があったため正直少しびびっていました(^^;;




インターネットの質問サイトに

「ドーハで乗り換えをしますが大丈夫ですか…?」

などと質問を書き込み

それに答えてくれたネットユーザーの人から少し叩かれたりもしました
(知らないから聞いただけなのに…)( ;  ; )



また、同行したある先生の娘さんは自分のお父さんがイランに行くことに対してとても恐怖心を覚え帯状疱疹ができるほど精神的に病まれた…と聞きました



それほど日本人の感覚や情報はイランも含めた中東に対して「怖い場所」の印象があるようです


しかし、実際行ってみてわかったことですが、要するに我々日本人は中東のことを何もわかっていない…と言うことです




確かに、外務省の海外渡航先情報を見るとイランのほとんどは「渡航する際、充分注意してください」の範囲になっています

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もちろん日本人が単独で行動するのには充分注意する必要があるかもしれませんが、しかし、それを差し引いてもイランと言う国はそのほとんどの人たちがフレンドリーで平和な生活を送っていると感じました



例えば、こんなことがあったそうです

大石範士の乗った車がエンジンストップを起こし止まってしまったそうです

その車を直すためにしばらく路肩に駐車して待っていた際、近くでピクニックをしていたイラン人の家族が寄ってきて

「何をしているんだい…?」

「あぁ、車が故障したから直しに来るまで待っているんだね…」

「それまで時間があるなら一緒に食事でもしないかい…」と誘われたそうです



また、試合に出た大谷くんは街で少し時間を潰さなければならなかった時、歩いている人に冗談のつもりで声をかけたら

「あなたに時間があるなら一緒に食事しましょう」

と年配の女性から声をかけられ、連絡先を教えてくれたそうです


声をかけた大谷くんも勇気がありますが、自然にそれに答えた相手もいかに警戒心のない幸せな状況で生活しているかと言うことがわかると思います


大石範士の例も、大谷君の例も、決して相手は悪い人ではなかったそうです

特に大石範士の場合は地元のイラン人が一緒にいたからなおさらそれが自然な行為だということが分かると思います



こういった状況から考えてもイランはとてもいい国です

たとえるなら、「50年ぐらい前の日本」

といったところでしょうか…



実際、イラン国内ではリアルタイムかどうかはわかりませんが、NHKの「おしん」が放映されている(いた)そうです


そしてイラン人の多くはそれを見て共感し涙を流しているという話を聞きました


こういった感覚は日本人とすごく似ています


現在のイランは、そういった昔の日本に似ている部分と、同時に、Wi-Fiがつながっていたり…と、古い時代と最新の時代が共存しているのがイランという国でした



もちろんイランとイラクの国境付近には危険な地域もあります


ISISという過激派組織が活動している地域もある事は事実です


しかし、それはごくー部の人間のことであって、多くの人たちは優しくフレンドリーでそして平和に生活していました
(車の運転は別ですが…)



日本が本当の意味で国際社会の一員になろうとするならそれぞれの国の状況もっとよく知る必要があります


今日本は「ー部の国とだけ仲良く付き合えばいい…」と言うような方向に動いているように思います


しかし、やはりそれは間違いで、世界中が仲良く共存共栄していく方法を考えていかなければならないと思います


イランという国へ行ってそんなことを感じました





さて、本題の大会に関してです


大会そのものは時間的にルーズです(ー ー;)

トーナメント表もありません(^^;;

誰が、誰と、いつ
試合をするかも分かりません!(◎_◎;)


大会主催者だけが分かっていて、マイクアナウンスで選手を呼び出し試合が始まるわけです


そんな状況ですから、選手が試合会場の外へ行って休憩している場合もあります


そんな選手を係員は探しに行きます


当然、試合進行はどんどん遅くなります


試合終了の時間も読めません



しかし、スタッフも審判も主催者のバールマン師範でさえ怒る様子もありません


お国柄です


仕方ありません



我々日本人はイライライライラ…


ひょっとするとこれが作戦だったのかもしれませんね…(>_<)



とにかくそんな状況でした




で、試合が始まると…

その圧倒的なスピードとパワーと攻撃力に驚きます!(◎_◎;)


驚くを通り越して…


ビビります…(^_^;)


本当に凄いです


めちゃめちゃ強いです


本当に強いです




3年前にカザフスタンに行きました


そこではカラテ・ワールドカップが行われました


審判員として目の前で試合を見て、裁きました


カザフスタンの選手も強かったです




しかし、イランの選手はそれを上回ると思います


そんな気がします




ワールドカップとイラン大会、二つを見たのは私だけです


県内外の試合もたくさん見て、審判してきました


その私が実感します


めちゃめちゃ強かったです





それと、ジンバブエから出場した身長2m、体重130kgのあの選手


パワーが凄かったです


そして、結果的にその選手に準決勝戦で負けたイランの選手


この選手も強かったです


こんな体格の相手に突進されてきたらどうやって対処すればいいのか…???

審判をしながら考えてしまいました…




イランの人たちは自国に対する誇りを持っています


自分の国のためには徹底的に戦う、と言っています


その母国愛はとても深いものです


その気持ちが試合での勝ち負けにこだわることに繋がるのでしょう


そう考えれば彼らが今年4月の静岡大会での異常なまでのクレームを行った行為も少しは理解できるかな…と思いました



いろいろ書きましたが、日本人はもっともっと世界を見るべきです


見なければなりません


表面だけを見るのではなく、その内面を見るべきです




今から3~40年前、極真の大会には「世界平和」の横断幕が掲げられていました


最初にそれを見た小学生だった私は「空手の大会がなんで??」と思っていました


しかし、故大山倍達総裁の崇高な理念はそこに至っていたのでしょう



海外の師範や先生方はよく言われます

「Kyokushin is a famiry」と…

そして、我々は歓迎されます




「極真」を通して海外に出させていただいて実感します

大山総裁がご存命なら本当に世界平和が訪れると…





いろいろなことを考えさせられるイラン遠征でした


このような機会を与えていただきありがとうございました


押忍