いつものように、Twitterをみると
TLには彩ちゃんのツイートがあった。
そこには笑っている写真が載っていた。
でも少しいつもより目が腫れている。
きっと彩ちゃんも昨日泣いたんだ。
その写真を見るのも辛い。
私は彩ちゃんのフォローを外した。
これで彩ちゃんを見なくて済む。
こんな感じで彩ちゃんを自分から遠ざける毎日。
あの日から2ヶ月がたった。
メンバーが、
「彩さんの新曲出るの今日ちゃう?」
「あ、ほんまや!!」
「どんなんやろなー。はよ聞きたいー。」
そうか。今日か。
後でゆっくり聞こう。
家に帰る途中、
ふと彩ちゃんのことを思い出した。
この道で彩ちゃんとふざけ合いながら
一緒に歩いた。
時には真剣な話もした。
喧嘩もした。
色んな思い出がこの道には詰まっている。
彩ちゃんに会いたい。
忘れようと彩ちゃんを遠ざけても
忘れることなんか出来なくて
日に日に彩ちゃんへの思いが増していく。
家に着くなり、私は
彩ちゃんの新曲を聞いた。
完全に私たちのことだった。
彩ちゃんはどんな思いで
この曲を作ったんだろう。
すると携帯が急に鳴りだした。
ああ、今1番会いたくて
1番声が聞きたかった人だ。
『もしもし』
「あ、ゆーり。出てくれたんや」
私が出ないと思ってたのか、
少し驚きながら、
そして嬉しそうな声でそう言った。
『あ、うん。なんかあった?』
「新曲聞いてくれた?」
『うん、今聞いてたとこだよ』
曲を聴きながら泣いてたとは
到底言えない。
だから鼻声を隠すために
わざと風邪をひいたふりをして
咳をしたりしていた。
「あ、そうなんや。」
『いい曲だね』
「ありがとう。
ゆーりのこと思いながら作ってんで」
『やっぱり…』
この曲には私たちの思い出が
嫌という程詰まっている。
こんなにも誰かの曲をきいて
泣いたことは今までになかった。
彩ちゃんは少し間を置いて
深呼吸をしてからまた話し始めた。
「話は全部聞いたで。
もう新曲も出来たことやし、
もしゆーりの気持ちが
離れてないならやけどさ…」
『え?』
「マネージャーに言われたんやろ?
私と別れろって」
『なんでその事…』
「だからさ、また前みたいに
戻られへんかな」
『え、でも…』
「曲作り終わったら戻っていいって言われてるやろ?」
『え、聞いてない…』
「いやなんで聞いてないねんw」
そんなことマネージャーからは聞いてなかった。
いや
言ってたのかもしれない。
あの時放心状態で何も耳には
入ってこなかったのだろう。
『もう1回彩ちゃんと付き合っていいの?』
「ゆーりがいいならやけど…」
『いいに決まってる。
もうこんな苦しい思いはこりごり』
「いや、私もだいぶしんどかったで
Twitterのフォロー外されてたし…」
『それは…顔見ると辛かったから…』
「もう!ちゃんとフォローしといてや!
これからはずっと一緒やねんから!」
『はい…』
これからはずっと一緒か…
もう何があっても彩ちゃんと離れたくないし
離すつもりも、もうないよ。