新人営業マンがゆく! 広島のオンリーワン企業レポート -2ページ目

酒造会社から始まった精米機

東広島市西条西本町で明治29年に創業し、米・麦・とうもろこしを中心とした穀物加工機械の開発を通して、日本の食を支え続けたサタケ さま。今年で110周年を迎えるという時期に、広報室の宗貞さんにサタケの歴史とともにお話をうかがってきました。

初めての動力式精米機 サタケは、穀物を加工する装置やプラントを作るメーカーです。精米機を作るきっかけは、当時ある酒造会社さんに「美味しいお酒造りには、良いお米や良い水が必要だが、精米の品質も大切」と言われたから。その頃の精米は人力で行っており精米効率が悪く、また、ぬか部分が均等に取り除けなかったとか。それを効率よく取り除けるような機械を、とエンジン動力式精米機の開発に取り組んだそうです。

その後、日本で初めての吟醸酒誕生のきっかけとなった研削式精米機を開発しました。胚芽米もサタケが初めて開発しました。太平洋戦争前ぐらいにビタミンB1が足りないことから「脚気」が流行っていたそうです。精米により、ぬかや胚芽が除かれ、栄養価が落ちたことがその原因と考えられ、胚芽を完全に残した状態で精米する技術をとサタケは研究を重ねました。発明したのは、サタケの当時の社長佐竹利彦さんで、開発した時はまだ弱冠20歳!この方法が開発されてからは、陸軍の多くの精米機が胚芽精米機に切り替えられたそうです。1960年以降は、時代的にお米の大量生産が行われていました。そのため、大型の精米機の需要も多く、サタケでも工場向けの精米機を商品化し、販売するように。

世界中のお米 サタケの精米機のポイントについてうかがうと、「お米の収穫から食卓に並ぶまでの一連の流れを把握しているため、お客様のご要望や、問題の解決に応えやすいのだと思います」とのこと。顧客にはリピーターも多いようです。個人的には、長年取り組んでいるノウハウの知識の多さが、お客様の信頼も厚くするのだろうと、思いました。今後は、「さらに技術を追求し、安価で性能の高い精米機を海外に提供したいですね」と宗貞さん。また「精米を加工するだけでなく、お米の品質をチェックする選別技術を高めていきたい」とも。とくに選別技術は、ほかの技術にも流用できそうなので、より力を注ぎたい分野だと強く言われていたのが、印象的でした。

明治から続けているサタケさまの会社で心がけていることを聞いてみました。宗貞さんは言います。
①「不可能はない」
簡単にできないとは言わないこと。誰かに聞いたら意外と出来るものもあるかもしれない。自分で調べたり、他に人に聞いてみることが大切ということ。
②「謙虚であれ」ナンバーワンだと思った時点で成長は止まってしまう。常に謙虚であり続けること。
③「気のつく人になれ」相手が何を考えているか察して動くようになる。気配り上手になること。常に考え続けないといいアイデアは浮かばないということ。

リニアエンジン 最後に本社敷地内にある「サタケ歴史館」を見学させていただきました。そこにはいろんな国の米や麦、とうもろこしなどの穀類が展示されているほか、今まで製作してきた機械などもあり、サタケの歴史が一目で理解できます。また先代の趣味だったカメラも多数展示されているので、カメラ好きな方にも面白いかも知れません。展示品の中でも目を引いたのが、電車のブレーキの動力になる電車用コンプレッサに使用されている、モータ。これもサタケで作られている製品なのです。サタケといえば、お米のイメージが強かったのですが、穀類関連の機械だけではなく、幅広い製品技術を多方面に活かしているサタケさまの技術の奥深さを肌で感じた取材でした。

家族の介護から生まれたユニバーサルデザイン

安岡社長さま 本日は広島市中区本川町でユニバーサルデザイン商品を製造・販売されているリプレイス の安岡社長にお話をうかがってきました。

※ユニバーサルデザインとは?・・・文化・言語の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。


結婚前はアパレルメーカーのデザイナーだった安岡さん。起業したきっかけは、大きく分けて二つ。家族6人の看護と介護の中、終末期の祖母のために作った寝間着が入院先の看護師に商品化してみたらと勧められたこと。そして、「これは多くの方が必要とされる寝間着です」と、看護実習普及センターの職員に言われたことで起業したそうです。その商品は、出願書も意見書も弁理士に依頼せず、独学で6年かけて今年4月に特許取得。

neat one 18年来の専業主婦からの起業後も、県知事、能力開発機構の推薦、また広島銀行より賞を受賞。また新聞、雑誌、NHKテレビでは全国放送されるなど、たくさんのプラスもあった反面、会社に泥棒が入ったり、納期遅れで販売機会ロスがあったりと、マイナスも数知れなかった。でも、マイナスはプラスに転化するための知恵の源だから、思い込みを捨てて原因を考えていますとのこと。こうして最初に作った寝間着が商品化され、「療養ねまきニートワン」として販売されました。そして、広島市主催ひろしまグットデザイン賞を受賞し、その後も3年連続で受賞されているそうです。

商品開発のひらめきは、ふと疑問に思った行動を実際にやってみることから思いつく。健康体のときは見えないことが多いが、そのことを気づかせてくれたのは、身体障害者、或いは要介護になった6人の家族。『どんな商品が売れるのか、でなく、何が世の中に無いのか』から考えるとのこと。コピーでなくオリジナルに特化するのは、「すでに世の中ある物は、自分が作る必要はないから。本当に大切なもの、そして私にできることは何か」を思考し、思い込みを持たず、思い入れを形にするスーパー素人の感性がひらめきの要因に繋がっているそうです。

グッドデザイン賞 「1度賞を取ると、その賞はプレッシャーにもなります。現在デザイン賞は3年連続で受賞できていますが、もし次回の賞を落したら、力がなくなったと思われるかも知れません。でもそういうギリギリのところで、予期せぬ発想ができます。受賞は自分の位置確認になりますから。」と安岡さん。現在の目標は何の賞かまでは教えてもらえなかったが、どうしても必要な賞があるとので、今はその賞のために力を尽くしたいとのこと。

最後に仕事について聞いてみると「リプレイスという社名には『その場所に還る。復職。復帰』という意味があります。今、つらい思いで入院中の方も回復し、職場へそしてご自宅へ帰って頂きたい。これからも皆さんに永く愛されるモノを創り続けたい」と。常に笑顔で商品の説明も体全体で表現してくれた安岡さん。その表情の一面に、目標に対しての強い思いを見たような気がしました。

オリジナルベッドへの追求

ベッド


人は人生の

1/3以上をベッド又はその寝室で過ごしていると言われています。ライフスタイルに必ずあるベッド。そんなベッドを広島市西区で製造・卸販売しているドリームベッド の小田部長に人の好みに合ったベッドのこだわりについて聞きに行ってきました。

マットレス 商品開発に力を注いでいるドリームベッドさまは、
1枚のマットレスで2つのマットレスの寝心地を選べるベッド「ドリームウイングス」を開発。「ひとりひとり気持ちよく寝たい」という、新婚さんや夫婦のお客様からの要望を基に、それぞれが8種類のマットレスから好みや体形に合ったものが選べるよう工夫したとのこと。2人で寝る人たちにとってはどちらかの好みに合わさなければならないという問題を解決できるそうですよ。(大体は奥さんに合わせてしまいそうですが。)色んなバリエーションのマットレスを用意することで、様々なニーズに対応できるようになってきているんだと感じました。

しかし、小田さんはこれだけでは満足していません。現在、広島大学との共同プロジェクトで、一人ひとりの好みに対応する寝心地のいいベッドの研究開発に取り組んでいるそうです。
①お客様の体形データ等を分析。
②条件に合ったベストなマットレスに体感してもらう。
③満足してもらった上で、工場にデータ送信。
マットレス製造。お客様にオンリーワンのマットレスを作る。
このようにできるようになるのが小田さんの夢だとか。

寝室空間 小田さんの名刺をよく見てみると「空環創造宣言」という言葉が。どうやらその言葉には
2つの意味が隠されているみたいです。一つは、ベッド単品だけを売るのではなく、寝室全体の空間を提供すること、その人のライフスタイルをイメージしやすいようなカラー提案やインテリアアクセサリーなどを組み合わせて想像しやすくしてあげる。また、色々なニーズに応えるために海外企業とも連携して、幅広いデザイン空間を提案できるようにしている。私も前職では、そういった空間をお客様に想像してもらうのが仕事だったので、話を聞きながら、うんうんといつも以上にうなずいていました。

もう一つは環境に優しくあること。「開発・製造・販売まで一貫して行っている私たちの会社は、素材・接着剤・塗料等、使用する材料一つにしてもホルマリン放出量が少ない物を選んでいる。」と健康や環境に優しいものを提供していくとのこと。最後にショールームを見学させてもらい、実際にマットレスの感触を確かめてみました。ドリームベッドさんが開発された円錐型コイル(トルネードポケット)の固いマットレスを体験してみると、跳ねない
!!上手く言えませんが、モノを落とした時の衝撃を全て吸収してくれるような素材でした。柔らかいもの、中間ぐらいなものも体験しましたが、僕は一番固いのが好きでした。

福山でオリジナル大型遊具を手がける!

全天候型屋外遊具“むさしキッズドーム” 広島県福山市第3回目。今回は福山市御幸町で公園の遊具や大型施設などを造っている
タカオ株式会社 にお邪魔し、田中さんにお話を伺いました。

タカオさまは、同業他社の中で数少ない、遊具の企画、デザイン、設計、製作、施工、メンテナンスまで一貫した生産ラインをすべて自社で行っているそうです。私は、他の業者を使って作業を分担させた方が楽なのでは?と思い、田中さんに聞いてみると「作る遊具は一つ一つ違うので、他の業者に任せてしまうと逆にコストと時間がかかる」とのこと。

苦労するのは、全ての部品を一から作らなければならないことだそうです。「工場で作る人にはけっこう無茶を言ったりしてます。ただ、自社一貫制だからこそ部品一つでもこだわりがありますけどね。」と田中さん。

元々は学校や幼稚園にある雲梯や鉄棒などを作られていたそうですが、国や地方自治体の整備するにあたり大型遊具の需要が高まってきたのを迅速に取り入れたことで成果が認められ、今の事業に至ったといいます。

備北丘陵公園“きゅうの丘” 大型遊具を作るときは、必ずその町の特色に基づいて作るとか。まず、企画部の社員を一日だけその現地に行かせ、どんな所なのか実際に肌で感じてもらう。そして、本やインターネットを使って、調べる。それから各社員に企画とデザインを提出してもらい、そこにしかない遊具を作るようにこころがけているそうだ。そのこだわりが言葉の節々に力強くでていて、自分たちの造ったモノへの自信みたいなものを感じました。広島では、庄原市にある備北丘陵公園 の大型遊具「きゅうの丘」を作製したそうです。遊具の頭にはキノコの形をした屋根があり、テーマは「森の妖精」。そこには40種類以上の遊具が集まっており。私が訪れた時は親子連れがいつも楽しく遊んでいる姿を見かけます。気になる人は見に行ってみてください。

社内でこころがけていることは掃除。会社の中を毎日掃除するのはもちろんのこと、社外の草抜きや溝の掃除も社員全員で取り組んでいるそうです。「誰がいつ来ても気持ちよく迎え入れることができるように、掃除は徹底的にやっています。」と言われ、あるコンビニのトイレのことを思い出しました。店内はキレイでしたが、お手洗いが汚くて少し気分がよくなかったことがあります。そういう細かな清掃が会社のイメージに影響があるんだと改めて感じました。

5つ以上のオンリーワン!!

消火装置 ナイアス
広島県福山市第2回目は、南蔵王町で防災機器の製造・販売を行っているポエック の来山社長にお話をうかがいました。

来山社長はポンプ業界一筋で働いてきました。会社を起業したのは、少し遅めの41歳。当時は、まず「5つ以上のオンリーワン・ナンバーワンを作ろう」「広島県一のポンプ屋になろう」という二つの目標を決めたそうです。現在、消火装置の「ナイアス」、マイコン制御のオゾン脱臭装置「ヴォルガ」、高圧力式細砂ろ過装置「環銘」、「リサイクルポンプ」と「船舶用ディーゼルエンジン台板」の5つの商品を開発し、その目標は達成。さらに6つ目となる「まるごとエキス」を開発し、現在話題に。商品はいずれもポンプの技術を活かし、環境に配慮。その独創的な技術は、商品開発への探究心に溢れています。

ユニークな発想のきっかけはさまざま。たとえば、「ナイアス」は、停電時に屋内の消火装置が全く動かず、火災が拡がった阪神淡路大震災の状況をうけ、「電力が必要なく空気の圧力で水を出せれば良いのではないか?」と考えたことが開発につながったとか。消火にあたって、最初は二酸化炭素を使用。しかし、膨張する際に熱を奪う性質があり、水をあっという間に凍らせてしまったため、これでは無理ということに。そこで今度は、大気の中でも安定している窒素で試してみました。窒素では、狙い通り圧力で水が出せるようになり、完成。その技術が認められ、今では各スーパーや病院をはじめ、なんと南極昭和基地にも設置されているそうです!

最後に来山社長は起業したのが遅かったと感じているせいか「人の3倍努力しようと頑張っています。他の会社の成長に追いつくためにも、3ヶ月かかるものを1ヶ月で終わらせるように常日頃こころがけています。」と話してくださいました。今の自分に置き換えてみると、「遅くなっても会社に残ってやればいい」という怠惰な考えが多少あったせいか、来山社長の言葉は僕に響きました。