カブ カムシャフト交換。 | 酋長のひとりごと

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ようやく歴代のブログを1本にまとめました。最初からお楽しみ下さい。

2021年4月より、「夏男のひとりごと」に名前が変わりました。が、「それではつまらん」と外部からのご指摘を先程受けまして、戻します。てへっ☆

年末前に、車バイクの交換部品を一斉調達しましたが

ちいと小金がありましたので、効果が気になっていた

カブ用のチューニング部品も購入しました。

 

ここまでボアアップして50ccが81ccに、燃調コントローラー、

110用マフラーと3点を装着していて

最初の最高速度が約60km/h(元オーナーのY君談)が

約72km/hまで向上してきました。

 

カムシャフトを高回転対応のものに交換すると

シリンダーに混合気の吸い込む量が増え

併せてそのタイミングも最適なものに変更できるので

さあ、性能はどういう風に変化するんだい!

 

 

で、次はエンジン特性を変えるカムシャフトを交換します。

メーカーを揃えて武川の「スポーツカムシャフト」です。

こんな小さなナリですが、2万円の高級パーツや。

 

 

作業は車体左側から行いますので

左側のレッグシールドを取り外しておきます。

しかしこの型のカブ、あの外装を外す前にそれも外さないとダメ、

という設計が多いので結構不便です。

最後に燃調もセッティングし直すのですが

コントローラーもこの位置に仕込んであります。

 

 

青丸のカムスプロケットのカバー、

赤丸のクランクの上死点マークのカバー、

黄丸のクランクをボックスレンチで回すためのボルトのカバーを

それぞれ外します。これで準備完了です。

 

 

カムスプロケットを留めるセンターボルトを外します。

うちはエアインパクトレンチがあるので楽勝ですが

ない場合はカムが回らなように処置して緩めます。

 

 

カムスプロケットを外したら、緑丸の

カムシャフトを押さえるボルトを外します。

カムチェーンはその辺に垂らしておいて大丈夫です。

(中でテンショナーに引っかかっているので外れないようです)

 

 

そのままだとカムシャフトが抜けないことがあるので

必要に応じてシリンダーヘッドを留めるナットも

緩めます(外さなくても良いです)。

緩めたらプラスティックハンマーで軽くヘッドを叩いておきます。

 

 

でカムシャフトはどうやって抜くんじゃ。 抜けんやないか。

正解は… こうでした! ボルトももう一回取り付けて足場にして

バールを掛けたらすっと抜けてきました。

 

 

左側が外した50cc用の純正カム、右側が社外のハイカムシャフトです。

とりあえずカム山の形状がかなり違います。

より長時間バルブを開いて、その高さも高いですね。

シリンダーに多くの混合気を吸い込んで出力アップをするものです。

 

 

カムシャフトを外した穴のなかはこうなっています。

バルブを押しに行くロッカーアームのお尻が見えますね。

 

 

折り返し組み立て工程に入ります。

カムチェーンを装着するためにテンショナーの油圧を抜いて

カムチェーンの張りを緩めます。 ちょっと油が漏れます。

 

 

 

まずはクランク側の上死点を合わせます。

開けたクランクシャフトにボックスレンチをかけて回し

覗き穴を見て緑丸クランクの印と

丸のクランクの印を合わせます。

位置が決まったら動かさないように…。 

 

 

そのまま赤丸のカムスプロケットの印と

丸のクランクケースの印を合わせます。

クランクの回転角度とカムシャフトの回転角度の位置関係を

ちゃんと合わせるという作業なんですけれど。

 

ところでチェーンというものを使っている宿命で

コマの位置が合わずぴったりに調整できないんですが、

その辺どうなんでしょう…。

 

 

カムシャフトを交換したので、

さっき見たロッカーアームの当たり具合、

タペット調整を併せて行います。

ダブルナット構造になっていますので、頭のナットを緩めて

真ん中のねじ様のアジャスターを締め込んで

良い塩梅のところでナットを留めて完成です。

文字にすると簡単ですが、ナットを留めるとちょっと狂うので

焦らず気長にやりましょう。

 

で、去年4月のマフラー交換の時と同じ手順で

燃調を調整して完成です。 外装カバーを付けましょう。

 

さて引き続き暖かな昼なので試乗です!

不思議なことにアイドリングの音に「ボオオオー」という

変な音が混じり始めましたが、排気漏れではない。

低速域のトルクはあまり変化がないか、気持ち細くなった気がしますが

これまで「トットットット」という脈動というかパンチがあったのが

「シュウウウウーン」という軽い吹け上がりになりました。

 

なんか普通の、スポーツバイクに近づいた?

 

が、4速で50cc時代から0.767倍という

燃費重視のハイギヤードなスプロケットを装着しているので

トルクが細くなってしまい、最高速、70km/hに若干ダウン!

ダメだ―。 計算してみましょう。

 

 

データ上今のギヤ比で、6825回転で70.3km/hになるので

上のメーカーが取ったデータの赤色線が一番近い仕様と考えると

もう少し速度が乗っても良いような気がしますが

出せる最大トルクは最高出力のちょっと下の回転数になる事が多いので

ちょうどそれくらいが相場になるのかもしれません。

 

試しに3速でタイヤを回しきれるか試してみましょう。

おっとこれは行けます。 明らかに速い。 8130回転で64.6km/hでした。

ぴったり最高出力付近まで回せていました。

 

もう少しスプロケットの選択を考えたら

4速75km/h越えるまで狙えるかな!

(まあ、公道ですし、そろそろ止めときましょう…)

 

 

  ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

 

しばらく乗ってみて、期待したほど出力が上がっていなく、

またほかの人のデータを調べてみますと

どこかに作業ミスがあるようです…。

記事内で一番怪しいのは、そう、タイミングチェーンのずれ。

もう一度開けて確認しましたら、もっとちゃんと合う位置がありました。

謎のボオオオ音、出力低下、解決しました。

チェーンが一コマずれていても結構影響があるんですね。反省!


さっそく試乗です。ついでにファイナルも変更、

純正に対してここまでは0.767倍のハイギヤードでしたが

さすがにやり過ぎたと判断、0.866倍まで戻しました。


今まではだいたい7000回転くらいまで回すと、「うなってるなー」という印象でしたが

そこからキュンキュン回るようになりました。

へええすごい。構わず回しても大丈夫なんだ!

最高速はあっさり記録更新、目盛りが全然ないところまで行くので、分かりません(笑)。


遠い昔、NSR250Rで簡単にメーターを振り切るので「日本精機キロ出た」って言ってましたが

今回は「CUBのB端キロ」って表現しておきます。