愛するマンガ達もその多くは過去のものとなっちまった。 
それゆえ愛するわけではあるが 生憎とあたしらは、まだ生きてるもんで 

だから現在も尚、新作が発表されているマンガについて語ることは 
なんぞ 世捨て人がしばし浮世に戻ってくる心地って気がしないかい? 

今市子の百鬼夜行抄は ナマケモノの作者が故に 作品が発表される時期も作品もいささか危うい。

妖怪モノといったらいかにもマニアックのようだが
書いているマンガ家は結構多い。
多いけれど独自の世界を持つマンガ家は稀だ。そう思わんかい?

あーたに現在も連載中のマンガで一作といわれたら 
この百鬼夜行抄をあげようと思うが
ひどくゆっくりとだが この世界の中も動いている。

主人公の住む木立に囲まれた家が無くなるときまでを今市子が描く時は来ないと思うが
あーたの家も私の家も それぞれの友の家も
打ち壊され今は無い。


有難いことで変わったのは 古本を買える店が増えたことだな。
大人買いでもいささか手が出ない
美しい装丁で高価なこの本を

古本屋に行くたび探してみるのも楽しみだ。
なにせ私の行ける店はさ マジョリカさんよ
あーたの10倍あるもんでさ ま、見つからん本があったらまた言ってくれ。