NATO拡大は誰に対抗するためのものなのか?」プーチンが怒るのももっともだが、
それでも超えてはいけない一線が・・

物事にはいろんな側面があり、見る角度によって?見え方は180度違う。
ロシアだけが一方的に悪いわけでもない。
米国のイラク侵攻は「善」?、ロシアのウクライナ侵攻は「悪」?、世論が恣意的すぎないか?

ただ、プーチンのやり方は甘利に乱暴で、弁解の余地は微塵もない。

ロシアが欧州最大の原発を攻撃ーメルトダウンの危機「爆発すればチェルノブイリ10倍の被害」

ウクライナ侵攻 安保理の権威は失墜した 第二次大戦の戦勝・5大国のエゴで・・

ロシアによるウクライナ侵攻・・戦時下に「原発を守る」ことの難しさ


 デイリー新潮 2022年03月04日
15年前に発せられていたプーチンのNATO、アメリカに対する“ぶちギレ”演説
堪忍袋の緒が切れたプーチン ウクライナ危機の深層とは

ロシアによるウクライナ侵攻。その背景には、ウクライナとNATOとの関係が指摘されるが、これについてプーチンはどう捉えていたのか――。少なくとも昨日、今日の話でもなければ、2014年のクリミア危機の時よりもさらに遡った15年前の2007年、すでにプーチンは“ぶちギレ”ていたのだ。

「NATO拡大は誰に対抗するためのものなのか?」

怒りの矛先は、アメリカが一極支配する安全保障システム、国連という枠組みの外での軍事行動などに向けられ、そのアメリカ批判は痛烈を極めた。特に、NATO拡大に対するプーチンの考えはまったくぶれることがなかった。「NATOは前線部隊をわれわれの国境付近に配置してきた。それでも、われわれは条約義務を厳格に守り、こうした活動にも目をつぶってきた。NATOの拡大が、同盟そのものの現代化やヨーロッパの安全保障の確保と無関係であることはあまりに明らかだ。一方、お互いの信頼を貶める重大な挑発であることは間違いない。そこで訊こう。NATO拡大はいったい誰に対抗するためのものなのか?」。大規模な国際会議の場で、プーチン大統領がアメリカへの不満をぶちまけたのはそれが初めてだった。



 1年後の2008年4月、ルーマニアのブカレストで開催されたNATOサミットの際にも、プーチンは報道陣に対してほとんど同じ発言を繰り返した。彼はミュンヘンでの自身の発言からさらに一歩踏み込み、NATOに対する根本的な疑問――ソ連崩壊後も活動を続け、容赦なく拡大しつづけるその姿勢から湧き上がる疑問――に立ち返り、次のように述べた。

「もはやソ連も東側諸国もワルシャワ条約機構も存在しない。それは間違いない。だとすれば、NATOは誰に対抗するためにあるのか? 聞けば、今日の問題や課題を解決するためにあるという。何のことだ? どういう問題や課題なのだろう?……NATOブロックの存在自体が今日の課題や脅威の有効な解決策になるわけではない。この点には、ここにいる多くのみなさんが同意してくれると思う。それでも、NATOが今日の国際社会の要素、世界の安全保障の要素の一つだと認識しているからこそ、われわれは協力しているのだ。さきほど聞いた話によれば、NATOの拡大の目的はロシアに対抗することではないという。私はヨーロッパの歴史に大いに関心があり、その歴史を愛している。ドイツの歴史もしかりだ。ビスマルクはドイツだけでなく、ヨーロッパにとっても重要な政治指導者だった。彼は言った。こういう場合、重要なのはそうする意図があるかどうかではなく、そうする能力があるかどうかだ、と……われわれは東欧に配置していた部隊を撤退させたし、ロシアのヨーロッパ部分にあった大型の重兵器のほとんどを撤去した。それから、どうなった? われわれが今いるルーマニアの(米軍)基地、ブルガリアの(米軍)基地、ポーランドとチェコ共和国へのアメリカのミサイル防衛システムの設置。西側の軍のインフラがすべてわれわれの国境近くへと移動しているのだ」】一部抜粋