民間住宅の耐震基準でさえ3000ガルを想定、果たして820ガルの想定で事足りるのか?

断層、津波どう評価?再稼働審査は長期化 7原発10基は終了見通せず


 日本経済新聞 2021年9月15日 11:08
島根原発2号機、安全審査に正式合格 再稼働へ地元調整

【原子力規制委員会は15日、中国電力島根原子力発電所(松江市)2号機について、安全審査の合格を正式に決めた。新規制基準に基づく審査の合格は2020年2月の東北電力女川原発2号機以来で、中国電の原発では初めて。再稼働に向けて地元自治体の同意が得られるかが焦点になる。

安全審査合格は全国では17基目になる。規制委は今後、設備の詳細な設計をまとめた「工事計画」の確認や、原発の運転・管理のルールを定めた保安規定の審査を進める。終了までに1年数カ月かかるとみられる。

11年の東京電力福島第1原発事故を機に、規制委は新規制基準に基づいて全国の原発を審査し、合格すれば再稼働を認めてきた。島根原発2号機は12年に定期検査で停止し、13年12月に中国電が安全審査を申請した。審査に8年近くかかった。

島根原発の審査では近くにある活断層の長さの評価に時間を要した。中国電は申請時の約22キロメートルから約39キロメートルに見直し、想定される最大の揺れを600ガル(ガルは加速度の単位)から820ガルに引き上げた。

規制委は6月、中国電による想定や安全対策が新規制基準に適合していると判断し、事実上の合格証となる「審査書案」をまとめていた。

島根原発2号機は福島第1原発と同じ「沸騰水型」で、これまで合格した同型の4基は地元同意が得られていないなどの理由で再稼働していない。中国電は安全対策工事を21年度中に終える計画だ。周辺自治体との調整を本格化する考えだが、交渉に時間がかかる可能性もある。】