こんな馬鹿げた規定のために・・
●事前放流した利水容量が回復しなかった場合は,利水事業者が機能回復のために実施した措置に対し,ダム管理者が利水事業者と協議の上,要した費用を負担する

利水権者に現状回復を求める権利があるなら、被災の原因となった〝水〟の所有権者に、被害を被った下流域住民が、現状回復を求める権利もあると思うが・・

電力土木事業協会・ダムの事前放流
【事前放流の実施にあたっての基本的事項は以下のとおり。

○事前放流した利水容量を回復させることが大前提となる。
○ダム毎に事前放流実施要領を作成し,関係利水者の同意と地方整備局長等の承認が必要となる。
○実施する場合は,関係利水者に予め通知される。
○事前放流した利水容量が回復しなかった場合は,利水事業者が機能回復のために実施した措置に対し,ダム管理者が利水事業者と協議の上,要した費用を負担する。】

国土交通省・ダムの事前放流について

規則で雁字搦め(がんじがらめ)だったとは知らず、ダム管理者だけを悪者にしてしまって申し訳なかったが・・
【台風19号】城山ダム、午後5時から緊急放流へ (豪雨とダブルで増水)相模川流域で浸水も
緊急放流で・・茨城、那珂川と久慈川の堤防決壊 1人死亡、1人不明=北関東3ダムが関与か
FNN PRIME・ダム管理は『異常洪水時防災操作』で開き直ったら負け


国土交通省・川の防災情報(城山ダム過去のデータ)を見ると、
城山ダムの管理者が、実際に夜通し事前放流していたことが分かる。
「事前放流せず」は私の誤解、申し訳ありませんでした。

国土交通省のデータに拠ると、確かに城山ダムの(放流量が流入量を上回る)事前放流は、11日17時ころから開始されている。 
しかし、11日20時頃よりの降雨、12日未明からの大雨、12日正午過ぎからの豪雨で、遅きに失した事前放流の効果は殆ど発揮されなかった。

国土交通省のデータが正しいとすれば、事前放流開始前の貯水位は119.22m、
事前放流で、最も貯水位が下がったのは12日正午頃の114.99m。

懸命の事前放流にも拘らず、 雨中での効果は僅かに貯水位を4.23m下げただけ。
もっと早く事前放流を開始していれば、
下流域を危険にさらす緊急放流は、避けられたのでは? と、残念でならない。

緊急放流直前、12日21時の貯水位は124.88m、流入量は4640.93m3/s、放流量は2971.03/s。
緊急放流直後、22時の貯水位は126.00m、流入量は4718.01m3/s、放流量は3603.72m3/s。(21時30分開始のため入出量に差あり)

豪雨が下火となる13日朝8時ころから貯水位は下降、以後も流入分をそのまま放流する緊急放流?は継続され、17日24時の貯水位は123.17mに。

結果、城山ダムを襲った豪雨の殆どは、そのまま下流に・・

利水権という見えない障壁が、ダムの治水能力の殆どを削ぐ、現行システムを変更しない限り、ダムは下流域への脅威となり続けるだろう。

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 東海アマブログ様より
洪水対策のためのダム事前放流について

 サプライズ!なまいにち様より
緊急放流なぜ事前に流さないのかは誤解!遅いのではなく限界で必要な措置