自動車事故なら、自賠責保険で最低限の賠償が保障されるが、
被害者保障のため自賠責保険加入が義務つけられる自動車に比べ、
原発は無保険のようなもの。

その上 自動車事故なら 任意保険で更に手厚い賠償を受けられる。

しかし福島原発事故の賠償では、
政府見積もり七兆九千億円に対し賠償保険わずか1200億円。
危険極まりない原発の保険を引き受ける 馬鹿な保険会社がいないからだ。
保険会社から見捨てられた原発に対して政府が全額補償する理由。

それでも無責任なアベ原子力ムラ政権は、実質無保険の原発を再稼動させてきた。

安全面でも、コスト面でも、倫理面でも、原発を運転させる正当性は皆無なのだが、
倫理観の欠如したアベ原子力ムラ政権は・・

電力会社は原発を動かす前に「無制限損害賠償保険」に加入しろ

原子力の「安全神話」と原子力保険料率

 東京新聞より
<原発のない国へ 基本政策を問う> (7)賠償の準備 1200億円のみ

【二〇〇六年に埼玉県から福島県飯舘村に移り住んだ三角常雄さん(68)にとって、村の生活はまさに「人生の楽園」だった。それが、一一年の東京電力福島第一原発事故で破壊された。

 医薬品メーカーやビル管理会社に勤めていたが、田舎暮らしをするのが夢で、飯舘村の原野を購入。切り開いて、平屋建ての別荘風の家を新築し、家族より一足先に移住した。

 あれから七年が過ぎた。家の周りは除染され、放射線量は、家の中なら毎時約〇・三マイクロシーベルトと国の長期目標(〇・二三マイクロシーベルト)を少し上回る程度には下がった。

 だが、山とともに生きる暮らしは完全に壊された。家を一歩出れば、線量ははね上がり、敷地内の林では二マイクロシーベルトを大きく超える。林の土を本紙が二地点で測定したところ、一キログラム当たり一万八〇〇〇ベクレルと四万九〇〇〇ベクレルだった。厳重な分別処理が求められる基準の二~六倍のレベル。十分の一になるまで百年かかる。


 ひとたび原発事故が起きれば、何万もの人の暮らしを、根底から奪うことになる。それだけのリスクのある原発を再稼働させるのなら、事故への金銭的な備えの大幅な拡充が先決のはず。しかし、原発事故に伴う賠償の備えは現在、原発一カ所当たり千二百億円の保険しかない。これに対し、福島事故の被害額は、被災者らへの賠償金だけで七兆九千億円と国は見込む。

 事故への備えが机上の空論にすぎず、不十分なまま、原発が動きだしている。国は今後も動かすつもりだ。三角さんは語気を強めた。「福島の事故は、もう終わったというのか。忘れ去ろうというのか」】一部抜粋