武田邦彦 教授(中部大学)HP より 
【世田谷で1時間3マイクロシーベルト程度の放射線の場所が発見されて大騒ぎとなった。原因は古いラジウムだったが、なぜ大騒ぎになったのだろうか?

福島では3月から6月ぐらいの時期には3マイクロ以上の地点はいくらでもあったし、今でも3マイクロ以上のホットスポットは無数と言ってよい。

でも、政府は世田谷なら翌日にラジウムを運び出したが、福島はほったらかしている。世田谷に住む人の健康は問題だが、福島の人は動でも良いというダブルスタンダードだ。こんなことは私には理解できない。

法律では、汚した人がすぐ片付けることになっている(この条文でいう事業者というのは、東電である)。世田谷を文科省が片付けたとき「法に基づきしかるべき機関がに移動する」といった。「違法に放置されている放射性物質を引き取るしかるべき機関」は存在するのである。福島の汚染物質も直ちに持って行けるのだ。

福島の人が世田谷の人と同じ日本人であることを、政府は行動によって示して欲しい。日本国憲法は法の下の平等をうたっている。

 おそらく政府が福島を見捨てているのは、福島の自治体自身が放射性物質を受け入れるというコメントを複数出していることもあるが、東京の人の方が大切と思っていると思う。ダブルスタンダードは現在の日本では当たり前になってしまった。】

 福島のひとは、放射能の汚染された状態を、否応無く受け入れさせられ、放射能の中で生活している。
子供だけでも救いたいという、福島市渡利地区の方の、当然な要求も、国だけでなく、福島市、福島県によって拒否されてしまった。

 福島では、無慈悲にも、地元の自治体もグルになって、放射能から逃れたい住民を、福島から一歩も出さないように、締め付けている。

 それに引き換え、東京では、ちょっと高濃度の放射能が検出されれば、文科省が飛んで来て、国の負担で除染作業をしてくれる。

 マスコミも、放射能が発見された場所の近くを通る小学生は心配するが、放射能の中を少女たちが走らされた「東日本女子駅伝」のことは、放射能など、其処に無かったかのように、復興へのシンボル?として、美談仕立てで報じる。

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