北国新聞より
【 田崎和江金大名誉教授は26日までに、タンザニアの首都ドドマ近郊で、ウランなどの 放射性物質の濃度が高い土壌中に、同物質を吸着する細菌が生息していることを発見した 。福島第1原発事故後、放射性物質で汚染された土壌の処理が大きな課題となる中、「微 生物が放射性物質を固定して拡散を防ぐ『ミクロ石棺』として役立つ可能性がある」とし ており、今月中に福島県で土壌調査を実施する。

 2009(平成21)年3月に金大を退官した田崎名誉教授は、昨年11月にタンザニ ア・ドドマ大に赴任し、今年4月まで地質学担当として教べんを執った。講義の傍ら、世 界的なウランの大鉱床があるドドマ近郊約50キロの町バヒで、これまでまとまった研究 がなされてこなかった土壌中の放射性物質濃度などの調査に乗り出した。

 手始めにタンザニア全土の約100地点で計測し、バヒと周辺で放射性物質濃度が顕著 に高いことを確かめた田崎名誉教授は、バヒの水田土壌を採取して調査した。

 電子顕微鏡による観察では、体長数百マイクロメートル(マイクロメートルはミリの1 千分の1)の細長い糸状菌の生息が確認された。菌体の周りには粘土鉱物の塊が多く付着 しており、この粘土は周りの土壌に比べて極めて高濃度のウランやトリウムなどの放射性 物質を含んでいた。

 福島第1原発事故の後、現地周辺では、放射性セシウムなどが高濃度で検出された土壌 の除去、保管の方法について議論されている。田崎名誉教授は、土壌中の微生物の生息状 況を調べるため、今月中に福島県飯舘村などへ入って調査を始める。

 田崎名誉教授は1997(平成9)年のナホトカ号重油流出事故後、石川県沖における 調査で石油分解菌の海水浄化作用を確認した。08年には北國新聞社の舳倉島・七ツ島自 然環境調査団副団長として、輪島市沖の七ツ島・大島で、大気汚染物質を取り込む微生物 被膜を発見している。

 福島での調査に向け、田崎名誉教授は「自然の中にはもともと大きな環境修復能力が備 わっている。微生物の力を生かした汚染土壌処理の可能性を探りたい」と意気込んでいる 。】

植物が二酸化炭素を吸収し、酸素を出すのだから、放射能を食べる菌があっても不思議ではない。
もしかすると、放射能を防御したり、まったく影響を受けない物質や生物が、まだまだ存在するかもしれない。
僅かではあるが、放射能の恐怖から逃れる希望の光が見えてきた。