コンピュータ監視法について。
法務委員会で強行採決予定の「コンピューター監視法案」に断固反対!
菅内閣が急いだコンピュータ監視法案の“本当に危険な箇所”
【本誌『週刊ポスト』が前号(4月22日号)で〈翼賛大連立〉を批判した「菅・仙谷がほくそ笑む『30兆円復興利権』と『原発恩赦』」と題する記事をめぐって、「デマ騒動」が持ち上がった。

 記事で、菅内閣が震災のドサクサの中で「コンピュータ監視法案」を推し進めていることを指摘したところ、ネットなどで「誤報だ」と騒ぎになったのである。まず指摘されたのは、法案を〈震災のドサクサの中で閣議決定した〉と書いた箇所である。
 
重要法案の多くが、今国会での審議を断念して提出が見送られるなかで、コンピュータ監視法案の扱いは明らかに特異で、前号執筆時点で、この法案の扱いが永田町で物議をかもしていた。

しかし、法案の本当の危険は別の箇所にある。「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」という長い名称と長い条文のうち、刑事訴訟法第197条に新たに加えられた「3項」を引用する。
〈検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、(中略)電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる〉

「この条文は、捜査当局がプロバイダなどに対し、裁判所の令状を受けていなくても通信履歴の保管を要請できるようにするもので、当局が『あいつは怪しい』と思えば、捜査のためと称してメール履歴をプロバイダに保管要請できる。この手続きには裁判所のチェックも働きません」
だからコンピュータ監視法案、もしくはネット監視法案と見られるのである。

 そもそもこの法案をその観点から問題視しているのは本誌だけではない。もともとは小泉政権時代の2003年に法制化が検討されたものの、野党だった民主党や日弁連が「令状なし捜査」は問題だと指摘し、何度も条文改正が協議されてきた問題法案なのである。

 その後も日弁連は、法案に反対する立場を変えていないが、菅政権になった民主党はガラリと態度を変え、問題個所をほとんど直さないまま閣議決定→国会提出を急いだのである。しかも「震災のドサクサの中」】

 一体、誰の為、何のために言論統制が必要なのか。
今回の原発事故で、政府・東電の流した『安全デマ』を、ネットでウソだと喧伝したからか?
 大本営発表以外は、『政府に都合の悪いデマ』であるから取り締まるというのか?
こんなことでは、いつかまた、太平洋戦争の愚挙を繰り返すことにならないか心配してしまう。
 これでは、中国のネット規制を笑うどころか、笑われる立場になってしまう。