「発送電分離」は時を経て蘇るのか
【電力業界は不況時には設備投資を前倒しして景気対策に協力。通産官僚の「天下り」も受け入れてきた。国策の原子力発電は官民一体で進めた。
規制に守られ高収益を維持できた電力業界は、東京電力会長の平岩外四を経団連(現・日本経団連)会長(90年12月~94年5月)に送り出し、各電力会社は、その地域の経済団体トップをほぼ独占した。

力の源泉は、発電から送電・配電まで一貫して担う「発送電一体」にあった。発電所や送電線などの巨額の設備投資と燃料調達を前に、重電メーカーや商社など多くの取引先がひれ伏した。

一方で、90年代のバブル崩壊と景気低迷を背景に、割高な電気代への批判も産業界に出始めた。ところが、「電力側は自己変革しない。その兆しさえなかった」と、村田に仕えたエネ庁の元幹部は振り返る。
「9電力体制」こそが「現代の幕藩体制」であり、このままでは「高い電気代」で日本の競争力が損なわれる。そう考えた村田とその部下たちは電力制度改革に着手する。】

毎日新聞2002・12.27より
【電力各社は、今回の電力自由化論議で「発電」と「送電」の分離(発送分離)が見送られたことに胸をなでおろしている。当初、欧米並みに自由化を進めるには「電力会社の発電部門と送電部門を切り離さないと、新規参入者が支払う託送料金の透明性が図れない」と推進派は主張。

 しかし、発送分離は電力会社の分社化につながるため、各社とも「一体運用でなければ安定供給に支障が出る」などと反論し、結果的に電力会社は現状の体制を維持することに成功した。

 発送分離という電力会社にとって「最大の危機」を乗り越えたことで、電力会社は将来的に全面自由化が進んだとしても「安定供給を確保しながら、新規参入者と競争できる」と、自信を見せている。】

発送電分離、首相が検討意向 保安院分離も言及
“発送電分離”政府提案に中電が反対表明
電力9社役員の87%が献金 自民に3390万円

電力会社の強力な政治力で大勝利を収めた事が窺がわれる。 
政治家は、政治にはお金が掛かると嘯き(本当は違法?な選挙活動に・・)官僚は将来の雇用主に尻尾を振る。
腐った財界、腐った政治家、腐った官僚が、日本の政治・行政を歪めてきた。
政治・行政がお金の力で歪められて来た歴史を繰り返してはならない。
今度こそ、電力10社の地域独占を切り崩せるか、東電解体まで持ち込めるかは菅総理がどれだけ本気かに懸っている。