ZAKZAKより

【東電の公式データによると、2009年度末の発電実績の合計は7769・2万キロワット(他社受電分を含む)。そこから1499・6万キロワットを引くと、最大6269・6万キロワットの供給力があるはずなのだ。

 そんな計算結果を見ると、本当にこの夏に電気が足りなくなるのか、ますます疑念は深まる。しかし、東電本社はこれらの疑問に対し、「計算上の数値はあくまで最大出力で、運用上この通りに稼働できるわけではありません」(同)と語るのみ。こうした計算をされるのがイヤなのか、東電はこれまでホームページで公開していた発電設備ごとの出力表を削除している。

 ■02年に17基すべて止めて乗り切った実績も

 運用が数値通りにいかないのは確かにその通りだろうが、計算上の最大出力6269・6万キロワットは、ピーク時の想定需要5500万キロワットに対し、769・6万キロワットも余裕がある。この数字は、福島第1、第2原発全体の総出力909・6万キロワットに迫る出力だ。この状態で、「真夏の電力不足」「電力使用制限」と言われても説得力はない。仮に柏崎刈羽原発をすべて停止しても、5788・4万キロワットは得られる計算なのだ。

 それでも電力が不足するというのなら、東電がこれまで公開していた最大出力の数字は一体何だったのか。

さらに興味深い証言がある。経済ジャーナリストの荻原博子氏は「東電は、原発のデータ改ざん事件で17基すべてを止めた2002年に最大需要6300万キロワットを乗りきった実績がある。この夏、電力が不足することはあり得ない」というのだ。

原発の有用性をアピールする側面もあると思われますが、こうした“あおり”行為は、大口需要者の自家発電切り替えを促進するだけ。『やっぱり原発は必要だ』という世論はなりません」】