【マンホール増水事故】警報1時間前増水 都の退避マニュアルに“限界”

 平成16年に東京都港区の下水道管で急激な降雨により作業員1人が死亡する事故があり、都はこれを教訓に17 年、大雨・洪水警報が出た場合はすべての工事を中止する規定を追加した。今回の工事請負業者はさらに、注意報発令時も作業を中止する計画書を都に提出して いた。だが、今回の事故は大雨注意報の発令の約5分後に発生し、大雨警報に切り替わったのは、その1時間近く後だった。警報を判断基準とした都の退避マ ニュアルの“限界”が露呈された形だ。

 現場の下水道は、汚水と雨水を一つの管で流す「合流式下水道」。降雨などで水深が20センチを超 えると、汚水と雨水の混合水が神田川に流される構造になっている。下水道管は基本的に、1時間に50ミリまでの降雨量には対応可能とされるが、一度に50 ミリの雨量が神田川に流れると川の増水を招く恐れがあり、実際の許容能力は50ミリ未満だという。

 事故当時、現場近くで50ミリを大幅に上回る1時間66ミリの局地的な集中豪雨 があったとみられる。1時間前の降雨量は0ミリで、都は「一度に大量の雨水が下水管に流れ込んだ恐れがある」とみている。

 都は工事業者に対して、大雨、洪水、暴風警報が発令された場合は、すべての作業をやめるよう指示しているが、今回のようなケースは「想定外」だった。都は事故の原因究明と再発防止を検討する調査委員会を担当局内に設置し、集中豪雨 に対する現在の対策の見直しも含め、対応策を探るとしている。

 帝京大学の三上岳彦教授は「高精度のレーダーシステムなどを導入し、事前に雨の状況を把握し、工事をやめるよう指示すればできたこと。都は、起きる前の危機管理が不十分だったのではないか」と指摘している。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/167220

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【マンホール増水事故】作業中断直後に鉄砲水か 生活影響少ない工法があだに

 5日午後0時15分ごろ、東京都豊島区雑司が谷の下水道工事現場から「下水道内で作業員が された」と119番通報が入った。マンホール内で作業していた5人が されて行方不明となり、このうち約3・5キロ離れた神田川で発見された埼玉県三郷市の大島浩さん(49)が、搬送先の病院で死亡した。東京消防庁 と警視庁目白署は残る4人の捜索を急いでいる。

  警視庁によると、事故直前の午前11時40分ごろ、雨は降り始めたばかりで下水道内の水量はひざ下くらいだったが、念のため作業を中断するように地上の作 業員が注意を促した直後に大量の水が流れ込んできたという。別の場所で降った雨が鉄砲水となって下水道内に大量に流れ込んだとみられる。

 調べでは、工事は都が発注した「雑司が谷幹線再構築工事」で、竹中土木(江東区)が受注した。 されたのは、現場責任者で下請けの北立建設工業(千代田区)社員の大島さんと、孫請けの橘技建工業(足立区)の作業員4人。

  大島さんらは別の作業員1人と計6人で同日午前9時ごろからマンホール内に入って、地下約2・3メートルにある老朽化した下水道の配管(幅約2メートル、 高さ約1・5メートル)内で補修作業をしていた。住民生活に影響が出ないように、水を流しながらでも可能な工法が採られていたという。


  現場は家庭用排水と雨水の両方を流す下水道で、大雨が降るとすぐに増水するため、ひざ付近まで水量が増えると作業中止か、一時待機する決まりになってい た。水量は事故直前まで変わらなかったが、午前11時40分ごろに雨が降り始めたため、地上にいた作業員が「地上に戻れ」と指示。その約2~3分後に水量 が一気に増えたという。1人は自力で脱出したが、大島さんらは された。

 付近では正午から1時までの間に、65ミリの雷を伴う局地的な大雨が降り、大雨洪水警報も発令された。現場はJR 山手線目白駅から東に約1キロの住宅街。
  された作業員は次の通り。

 【死亡】
 埼玉県三郷市、大島浩さん(49)
 【行方不明】
 東京都足立区、寺井誠さん(44)▽同、松尾隆治さん(31)▽同、遠藤博昭さん(38)▽埼玉県草加市、浜田彰さん(29)

[コメント]
 亡くなった人には、冥福を祈ります。行方不明者には、奇蹟がある事を祈ります。
「参考ブログ」

バケツをひっくり返したような大雨が降っていた・2人死亡