燃料費の高騰に耐えかねた全国の船主や乗組員たちが15日、一斉休漁に入った。「この国に漁業という産業がなくなってもいいのか」と悲痛な声をあげる漁業関係者ら。近畿各地の漁港も出漁を取りやめた漁船が停泊し、船の手入れをする漁師以外は人けもなく閑散としていた。

 兵庫県では、県漁業協同組合連合 会に加盟する51漁協の約8000人が休漁。明石市の明石浦漁港 周辺では、船が「休漁中」ののぼりを立ててずらりと停泊した。昼市の魚を扱う「魚の棚商店街」の従業員(45)は「いけすの魚が無くなれば明日売る魚がなくなってしまう」。

 国内有数の生マグロの水揚げを誇る和歌山県那智勝浦町の勝浦漁港 も閑散としたまま。はえ縄漁をしている浜田典弘さん(65)は「漁業をやめて船を解体しようにも300万円かかる。ただでもらってくれる人がいれば手放したいくらいだ」とため息をついた。

 16日も休漁する大阪府漁業協同組合連合 会の会員24漁協の組合長らは、東京で開かれる決起集会に参加するため15日朝、関西国際空港 か ら出発。同漁連の藤田泰寛専務理事(63)は「燃料は高騰というよりも暴騰。漁業者は減速航行などの自助努力を続けているが、限界を超えている。このまま では次々に廃業者が出る」。深(ふ)日(け)漁協青年部長の南勝佳さん(39)は「魚価も安く、さらに若手の漁業離れが進んでしまう。国には、漁業という 産業がなくなってもいいのかと訴えたい」と話した。


 大阪市中央卸売市場(福島区)では休漁を通告されていたため、いつもと変わらぬセリが午前5時過ぎから行われたが、「またいつ休漁されるのか」と関係者らが不安な表情を見せた。

 同市場内の卸売業者「うおいち」の土屋豊・広報課長は「今後休漁が続くようなことがあれば、価格も上がってくる」。同市場では、九州産の鮮魚の入荷が全体の約4割を占め、距離などの問題から17日の入荷に影響が出るという。
 一方、セリを終えた仲卸売業者「福定」の仁田貞夫相談役は「漁業者が休漁まで思い立つのはよほどのことであり、国が何らかの支援をしてやってもいいのでは」と話していた。

産経新聞
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/161248/

参考ブログ
【証言】食糧高騰の仕組み-ファンドマネージャーの本音
http://ameblo.jp/syuugyousya/entry-10108489391.html
原油高騰のからくり 0.5%の石油が原油の価格を決める!?
http://ameblo.jp/syuugyousya/entry-10108319365.html

燃料高 20万隻一斉休漁 『海に出るほど赤字』(東京新聞)
http://www.asyura2.com/08/senkyo51/msg/882.html