私はお墓参りのために伊豆にある祖母の家を訪れていた。
夜、縁側から見える打ち上げ花火を眺めながら、私は部室でのグリコ先輩との事を思い出した。
あれから1週間、先輩とは一度も会っていない。
どうしてあんな事をしたのか今でもわからなかった。
祖母「毎年の事だけど、何度見ても花火は飽きないねえ」
母 「お母さん、それ去年も行ってましたよ」
祖母「来年もまた言わせてちょうだい」
母 「好きなだけ言ってください」
母と祖母の会話。本当にたわいもない会話だけど、今となっては一つ一つの会話を鮮明に思い出す事が出来る。
次の日、私は昔祖父に連れて行ってもらった防波堤へ行った。
「もしもこのまま防波堤がずっと先まで続いていたら、歩いてハワイまで行けるね」と馬鹿な事を祖父に言った記憶がある。祖父は楽しそうに笑っていた。祖父が亡くなってから5年、もう一度祖父に会えたらどんなに幸せだろう。
私は防波堤に仰向けになり、そんな事を考えていた。空が青くて大きかった。
雄一 「あれ、シュシュじゃん」
振り返ると小さい頃によく遊んだ雄一がいた。
雄一 「こっち来てたんだ」
シュシュ「うん、正月以来だね」
雄一 「何やってんだよ」
シュシュ「雄一が来るのを待ってたんだよ」
雄一 「噓つけ」
シュシュ「海は広いねえ」
雄一 「は?お前大丈夫か?」
シュシュ「空も大きい」
雄一 「そうだな」
そう言うと雄一は私の隣で釣りを始めた。私はぽつんと浮かぶウキをただただ眺めていた。
雄一「あれ、アリスじゃね?」
妹のアリスが「お姉ちゃん!」と叫びながら走って来た。
シュシュ「どうしたの?そんなに慌てて」
アリス「ちょっと携帯出てよ!ずっと探してたんだから」
シュシュ「ごめん、ごめん。おばあちゃんの家に置いて来ちゃった」
アリス「おばあちゃんが倒れたの!今救急車で運ばれて、お母さんが一緒に乗ってったんだよ!」
意味がわからなかった。
to be continued
