久し振りの宮部。最近の若手現代作家がいまいちなので、つい手に取ってしまいました。…あ、そういえば、昨年出た「桜ほうさら」も買ったきり読んでませんが、何か(笑)(笑)(笑)一年経ったな。ふ。


マスオさんキャラ杉村三郎シリーズ。遭遇するのは、またしてもバスジャックです。

但し今回奥さんは除外。奥さんは物語の後半で、事件とは全く関係ない所で、重要な役割を担っております。(!)

この夫婦シリーズ、実は私、あまり好きじゃないのかもしれない。今回の作品が3作中で、一番テンポよく読めたかな。700ページで長いけど、バスジャックを皮切りに、あっちからこっちからいろんな事実が浮かび上がり、それがすべて事件の犯人へ繋がって無駄なところはないから、凄い。伏線の回収が凄いというのは、こういうことを言うのだろう。

バスジャックという事件の体質上、コンパクトにまとまりそうな感じはあるのに、ここまで引っ張るのは凄いです(笑)


で、まさかまさかの超絶オチ。これを読んで、これからもこのシリーズが続くのだとすれば、今までの3作は実はそれ自体がプロローグだったのかもしれない。今後は主人公はあの職業について、生活を立て直すのだとあれば。読者的サービスの意味もあると思うので、何を言ってるのかは是非自分で読んでから確かめてください(笑)人に聞いたら、つまらない部分なので。


宮部さんのミステリで近年一番好きなのは、「小暮写真館」だったりします。あれを上回る好きワールドは、まだ出てないなあ。

でも、一番安心しながら読めるミステリなのでした。