30分行ってUターンを繰り返しながら、通ってみたい道がありました。
昔はなかった《市小木》(いちこぎ)から《猪之木》(いのき)までの農道があるのです。
多分道幅6mはある舗装された立派な道なのです。
ある朝、《市小木》の先まで行きながら、
「ここから猪之木まで行って自宅まで一周したら丁度1時間くらいで着くのではないか」
次の朝、実行してみました。
初めての道です。
普段は手ぶらなのですが用心のためにポーチをぶら下げました。
中には2000円と小銭。そして・・・
市小木の牛の飼育小屋の所から右に猪之木までの農道が始まります。
ここまでは約20分。
あと10分でUターンなのですが今日はそのまま猪之木まで突き抜けて、猪之木経由で家に帰ります。
農道に入ってしばらくしたら上り坂道になりました。
その坂が長いのです。
上りながらのどが渇きました。
そういえば夕べから何も口にしていません。
昼だけの1日1食。午後から何も食べていません。
朝もうっかりしてお茶も飲んでいませんでした。
そこでポーチ。
あ、水を入れるのを忘れていました。用意していながら・・・その水を持つためのポーチ・・・
大変だ、家までもつかいな。
取り敢えず坂を上りきらなければ。
ひーひー言いながら歩いていたら地面に黒いものが落ちている。
見上げたら、そこにイヌビワの木。
実が黒く熟しています。
イヌビワ。
五島弁で《グロンジュ》
ビワに似てるがビワほど美味しくないので《イヌビワ》
沖縄では《アーマンチーチー》(お母さんの乳)
私はこの沖縄の言葉が好きで、この実を見つける度に《アーマンチーチー》と心の中で叫ぶのです。
「ワア、助かった」
枝を引いて、黒く熟した実を口にいれました。
乾きが収まります。
さすが《アーマンチーチー》です。
すつかり元気になりました。
上りきったら、あとは下り坂。猪之木に着きました。
イヌビワは至るところにありました。
その都度手を伸ばして食べていたら、家まで1時間半かかりました。
でも、《アーマンチーチー》に出会えて楽しい1時間半のウォーキングでした。