駆けぬける風のように32歳になりました | ちゅっちゅの戯言

駆けぬける風のように32歳になりました

お久しぶりです、公演が終わるとブログを更新する筒井です。

いや、もう少し更新頻度を上げて書きたいのですが、根っからのデブ症、いや、筆不精なので、ご容赦ください。


さてさて、本日は11月3日。
私、筒井俊作の誕生日であります。
31歳の僕に関わってくださった全ての方、ありがとうございます。
32歳の僕も、どうぞよろしくお願いします。

そんなこんなで、先日幕を降ろしました「駆けぬける風のように」。


奇しくも31歳最後の舞台が、若い俳優たちに囲まれた熱ーい芝居。




Dボーイズの皆の発する熱量の何とも気持ちの良いことよ。
一緒にやっていて、忘れていた何かを思い出したし、良くも悪くも自分が年を重ねてきたことを実感しました。
皆、本当に素敵な人たちだった。


立川迅助を演じた、座長・和田正人さん!
和田さんは、稽古の段階から、芝居でもそれ以外の時間でも、グイグイと皆を引っ張ってくれた。
いつでも笑顔を忘れず、周りの人間に積極的に絡み、座組の雰囲気を常に良くしてくれた。
板の上で一番しんどいのは迅助だし、実際、和田さんの疲労感は半端じゃないはずだ。
「俺がしんどければしんどいほど、良いものになるはずだ」
と、毎ステージ自分を追い込んでいた。
その姿勢はお客さんのみならず、僕らにも勇気を与えていた。いやもうアッパレだ。
そして、今まで色んな迅助がこの世に生まれてきたが、やはり和田さんの走る姿は一味違った。
説得力が段違いで、袖から和田さんの走る姿を、僕らはいつも覗いていた。



沖田総司を演じた陳内将くん!
僕は、敵方としても、味方(?)としても陣ちゃんと絡んでいた。
本人によると意外にも(と言ったら失礼なのかな?)いつもはひょうきんな役どころが多いそうだ。
実際、楽屋ではいつも冗談を言っていたし、先輩のボケに乗っては突っ込み、後輩のボケに突っ込んではボケてた。
そんな陣ちゃんは、板の上でとても繊細なバランスの芝居をしていた。
お客さんに伝わるレベルのものから、目の前の共演者にしか分からないレベルのものまで、
日によって、他人のアドリブに対応するために演技プランを変えたりもしていた。
僕と2人きりの診察のシーン。沖田の死に対する、覚悟、不安、憤り、恐れが、毎回違ってこちらも毎回気持ちが揺さぶられた。


土方歳三を演じた遠藤雄弥くん!
Dボーイズの鬼の先輩、だそうだ。
だそうだ、と書いたのは、僕からは非常に面倒見の良い先輩に感じられるから。
後輩の粗相を叱るよりも、粗相をフォローしている印象が強い。しかも、面白くフォローしている。
しかし、後輩が雄弥くんを慕いながらも恐れているのは事実なんだろう。
そんな雄弥くんだからこそ、今回の土方が生まれたんだと思う。
締めるところは締めるのに、ところどころキュート。怖いのに愛せる土方。
もしかしたら、「沖田から見た土方さん」というのを、僕らは見せてもらったのかもしれない。
土方さんのシーンを見るのが本当に楽しみで、好きだった。



小金井兵庫を演じた加治将樹くん!
今回の小金井は物語の序盤から、お客さんのハートをグッと掴まなければいけない大役。
その役目を加治くんは見事に成し遂げていた。
芝居全体の雰囲気を、緩くもし、締めもする、今回の芝居の立役者だと思う。
口でいうのは簡単だけど、それを成立させることは本当に大変で、技量もセンスも必要なこと。
加治くんは誰に言われるでもなく、台本を読んだ段からそれを理解し、成立させようと苦心し、
今までにない、加治将樹印のついた小金井兵庫を作り上げたと思う。
キャラメル客演陣も感心しきりだった。
加治くんの若さでそれを成し遂げたというのは本当に凄いことだし、羨ましいことだと思った。


三鷹銀太夫を演じた堀井新太くん!
新ちゃんは、今回の役をやるにあたり、本当にプレッシャーを感じていた。
そりゃそうだ。キャラメルの人間なら、「三鷹銀大夫をやれ」と言われたら、
どうやって穏便に降板するか考える(ちょっと言い過ぎ)。
最初こそプレッシャーでガチガチになっていた新ちゃんだが、途中から翼が生えたかのように自由になった。
「僕は、僕の三鷹銀大夫をやればいいんだ!」
と気付いた。
そこからは、彼の持ち前のビッグスマイルを武器に、彼のその日の気持ちが素直に出る、
自分に正直なスタンスで舞台に立ち、どこか憎めない、愛嬌のある三鷹銀大夫を作り上げた。
時々自分で自分の芝居を不安に思っていたりもしたけれど、それもまたご愛嬌。



中岡慎太郎を演じた山田悠介くん!
今回彼が演じた中岡慎太郎はクールで知的。
悠介くんはクールで知的に見えるけども同時にひょうきん。
稽古場では、三鷹銀大夫や松本良順を演じたいと言っていた。
そんな悠介くんが、その気持ちをグッと押し殺して演じた中岡はハマっていたし、カッコよかった。
(※その鬱憤が、楽屋で三浦さんとのイタズラ合戦に発展したのかは謎だ。)
実は、出演者の中で誰よりも先に成井さんに「いいね!」をもらった人。
でも悠介くんはそれで良しとせず、ずっと中岡の人間味について、悩み苦しんでいた。
普段から仲良しのキャラメルボックスの岡田竜馬と見事なコンビぶりをみせていたと思う。



宿毛嶺八を演じた土屋シオンくん!
宿毛という一人の人間は、幕末の志士の時代から明治の役人という、
時代と立場と年齢を変えた状況で演じなければならない役どころ。
かなり難しい役だったと思うし、実際、シオンくんはとっても苦労していた。
そりゃそうだ、シオンくんは、宿毛の年齢よりもだいぶ若い。
僕もかつて24歳で65歳の年齢を演じなければならなかった時は、泣きそうになるほど辛かった。
しかし、シオンくんは腐らずめげず、この役に対してぶつかっていた。
稽古の最後にはには成井さんに「何さ!出来るじゃない!」と言わしめた。
物語のオープニングとエンディングで堂々と演じる彼を見て、おじさんはとても嬉しかった。
22歳の段階でこれだけハードルの高い役を演じ切ったのは、シオンくんにとって絶対に財産になったと思う。


鳥沢鍬平を演じた前山剛久くん!
鳥沢という役も、これまた難しい役どころ。
彼の持つある秘密を、初見のお客さんには見抜かれてはいけないし、
2回以上観ているお客さんには伝えなければならない。前ちゃんもとっても苦労していた。
最初は、時代劇の科白をどう言っていいのか分からずに四苦八苦していた。
でも、彼は自分の中の新しい発見を「間違っているかもしれないけどやってみる」と、
常に挑戦的に稽古に望んでいた。
荒削りでも、やりたいことが観ている方に伝わってくるから、色んな人が彼にアドバイスをしていた。
それを最後には自分のものにしていた。
前ちゃんも、初めてづくしの今回の芝居を立派に乗り切った。
※個人的には、公演中に練習したボールジャグリング続けてほしい。前ちゃん、間違いなくセンスある。



・・・むう。気がついたら一人一人についての印象を書いてた。
しかも、ずいぶんと上から目線で申し訳ないm(_ _)m

今日は何を書きたかったというと、誕生日のことです。
11月1日に、千秋楽に先駆けて打ち上げが行われたのですが、そこで何と、上記の素敵なメンバーやスタッフの皆さんに、誕生日をお祝いしてもらいました!





いやいや、まさか2日前だし、正直、自分の誕生日の事も忘れていたので完全なサプライズ!
ケーキを頂いて、上手い事も言えずに終わってしまった自分が情けない。
いつもなら、誕生日ケーキに顔面ダイブするところだったんですが、感動してそれどころではなかった。

31歳の最後の舞台だった「駆けぬける風のように」。
本当に最高のカンパニーでした!
またいつか、絶対にみんなと共演したいです!

みんな、本当にありがとう!