19.12.31 岸岳城[上松浦党最大勢力である波多氏の居城]その7 | ぬるま湯に浸かった状態

ぬるま湯に浸かった状態

城巡りを中心にしたブログです。
『ぬるい』ので入られる方はご注意ください。

岸岳城 レポ第7弾です。

その6左矢印からリンクしています。

 

 

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見所となる遺構 (土塁など)はブルー、名前のある場所 (本丸など)はパープル

現存建築物 (移築建築物含む)はピンク、再現建築物 (模擬建築物含む)はオレンジ

跡地 (櫓跡など)はグリーン、その他 (銅像など)はブラックで表記します。

 

 

 案内図

 

 

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さて、またまたではございますが、石垣 を見ます。

今回は本丸周辺です。

 

 加工された石がゴロゴロ。

 

 

 

この辺りは、打込接 であったと思わせる石垣 が残っていますね。

 

 良好な状態で残っていると、テンションがさらに上がります。

 

 

 

こちらは崩れてしまっていますが、隅石 だったのではと思います。

 

 手前のラインと奥に進むラインの結節点ですから隅部でしょう。

 

 

 

これは何を撮ったんだ?

下に曲輪 があるようには見えますが…。

 

 でも何故、石垣を撮りまくった中で、曲輪を撮ったのか…。

 

 

 

石垣を見ながら、他の話しをしたいと思います。

この城の戦国期の城主であった波多氏。

最後の当主は、波多親です。

読み名は『はた ちかし』です。

決して、彼の事を話す訳ではなく、この波多氏の当主の名は『一文字』なんですよね。

これは非常に珍しいですよね。

また、波多氏の一族である日高氏も、名が『一文字』です。

通字が代々継承される、他の氏族は基本、名前は『二文字』だけに、違和感がありますし、読み方が

判り難いです。

 

 ここも石垣は見事に並んでいます。

 

 

 

この一文字の名前というのは松浦党の氏族では多かったようで、元寇で蒙古軍が松浦郡に

襲来し、それを迎え撃って、戦死した佐志房や、松浦党の嫡流で戦国期の当主の松浦親など

皆、『一文字』の名前です。

これは祖先である嵯峨源氏の人々が、一文字の名前だったからなのでしょう。

 

 尚、渡辺綱は松浦党の祖先となります。

 

 

 

話しはしないと言ってましたが、波多親について。

彼は、秀吉が島津攻めに九州に入ると、早めに謁見していますが、兵を出さず、不興を買います。

ただ、秀吉が朝鮮攻めの前線基地を波多氏の領内に構えようとしていたので、鍋島直茂の執り成しも

あり、不問になっています。

しかし、秀吉が波多氏領内の名護屋を朝鮮出兵の陣地と提起すると、大軍を擁するには不向きと

進言し、またもや不興を買います。

さらに、彼は秀吉着陣の挨拶にも遅れてしまう、失態を犯してしまいます。

文禄の役で、波多親は、鍋島直茂の与力として出兵する予定でしたが、出立日を勝手に変えて

さらには独自の陣を構えるという軍令違反を犯し、秀吉の不興(3回目)を買ってしまいます。

利用価値がなくなったのでしょう、堪忍袋の緒が切れた秀吉は、日本への召還を命じられますが

上陸させる事なく、船上で落ち度を攻められる書状を渡され、所領を没収されて、徳川家康の

預かりとなってしまい、配流地の常陸で亡くなります。

気骨があるというか、我が領土を大切に思っていたのでしょうが、時代の流れというのを掴めなかった

のか、愚かだったのか。

始祖伝来の土地を失ってしまいました。

 

 尚、彼の正室には悲劇の話しがあるようです。

 

 

 

それについては、また後程…書けるかなぁ~。

さて、この辺りは野面積の石垣 が残っています。

 

 ちなみに正室は『秀の前』と呼ばれていたそうです。

 

 

 

ここの隅部は石が割れていて、ハッキリとは断言できませんが、算木積 になっているように

見えます。

 

 断言しちゃってるけど。

 

 

 

恐らく、残っている石垣の上にも石垣があったんでしょう。

石が崩落してしまっています。

ただ、この部分はなかなか良好な状態であるとは思います。

 

 試行錯誤しながら、ここを撮ってますな。

 

 

 

さて、この城の端にあたる三左衛門殿丸 と呼ばれる曲輪 にやってきました。

名前の由来は判りませんが、恐らく三左衛門殿か造ったか、番を務めていたかでしょう。

ただ、後者なら…。

 

 そんなスペースはないのではないかと思います。

 

 

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その7は少々短いですが、ここまで。

果たして、『秀の前』の話しは出てくるか。

乞うご期待!