久留米在住の直木賞作家・葉室凛(はむろりん)さんが、66歳と言う若さで昨年暮れに亡くなられたことは大きな衝撃でした。最近読んだ3冊です。
先月の追悼文の新聞記事です。
50歳を過ぎてデビュ-され、温めてきた題材で約50冊の著作があります。

最初は随筆集「柚子は9年で」(西日本新聞社)。
「柚子は9年で花が咲くが、1年ほど余分にかかってしまったがそれで良いだろう。遅れても花は咲くのだから。書き続けるうちに懸命に過ごせば、移ろい過ぎる時は豊かさを増すことができると、わかるようになった。豊穣にはなっていくのだ」

2冊目は、7人の作家による競作「決戦!関ヶ原2」(講談社)。
黒田長政のキリシタン大名の一側面を「ダミアン長政」として描いている。

3冊目は柳川初代藩主・立花宗茂伝です。家康は、宗茂にこう言います。
「決して人を裏切らぬ、立花の義を世に知らしめよ。さすれば秀忠と次なる将軍も、人を信じることができよう。そなたは泰平の世の画龍点睛となれ」

最近書評で知った松平春嶽の生涯を描いた「天翔ける」、また「大獄 西郷晴嵐賦(せいらんふ)」など話題の書を、今後も読んで行こうと思っています。