日経新聞記者が書いたソフトバンク社長・孫正義さんの経営哲学の本を、あまりにも面白く一気に読みました。
たくさんの示唆があり、現役の時に読みたかった本です。とてもお奨めです。
仲間たちの奮闘も、詳しく紹介されています。
革命を起こすときは、多くの優れた将を得なければならないと。

最初は孫正義を支える人脈図です。
価値観や判断基準を共有した、多くの人が支えていることを知りました。
アンダ-ラインの孫さんの恩人・佐々木正氏が亡くなったことが、先般報道されていました。教わったことは二つ、
・「同志的結合」が大事。リ-ダ-として志をともにする仲間を、どう引き
つけるか。賢いだけでは、人は動かせないと。
・孫君、君は夢と志の違いが分かるか。夢は少年少女の淡い期待だ。志とい
うのは決意なんだと。それからサインを求められると「志高く」と書くよ
うになったそうです。

次は1981年に創業した、ソフトバンク企業史です。
10年後、20年後に花を咲かせるものを、タネの段階で嗅ぎ分ける能力と、それに対してリスクを取りに行く覚悟が大事だと。

最後はソフトバンク・グル-プの紹介です。
最近ヤフ-の社長交代があり、副社長にバトンタッチされました。

この本のアンソロジ-です。
・どんなことをやられたら崩壊するか、負けるシナリオを考えて相手より先
にそれをやれ。これをやられたらヤバイ、というアイデアを徹底的に洗い
出せ。思いつく限り、ひたすら徹底的に。そして先手を打てと。
・最新のテクノロジ-の存在にライバルより先に気づき、それを独占する手
立てをいち早く講ずることが大切。
たとえば信長の鉄砲と火薬という新世代のテクノロジ-を一時的に独占、
それを惜しみなく、最強のライバルにぶつけた長篠の戦いのように。
著者の日経新聞社の杉本貴司さんもまだ若く、興味ある企業家の列伝を綴ってくれることを期待し、今後もフォロ-したい記者です。