熊本でも朝夕、日増しに忍び寄る秋の気配を感じられるようになりました。
文章が多くて恐縮ですが、最近読んだ本の紹介です。
NHK「クロ-ズアップ現代」のキャスタ-をつとめた国谷裕子さんが、23年間で放映された3784本をふりかえった回顧録です。
時代感覚を言葉にする力(コメント力)と、ゲストに向き合える力(インタビュ-力、聞く力)を研ぎ澄ますことがキャスタ-の仕事して、クロ-ズアップ現代がめざしたものを赤裸々に綴られています。とてもお奨めです。

話題になった百田尚樹さんの「雑談力」、人は物語になっている話を聞きたがる。スト-リ-を付け加えるだけで、一気に面白い話に替わると。本当に面白い話は、話し手が一番興味のある話題と。きっと、その通りですね。
最後に、箱根駅伝の青学・原監督の「勝ち続ける理由」(祥伝社新書)。
尞の玄関に貼りだしたチ-ム哲学、3つのモット-です。
①感動を人からもらうのではなく、感動を与えることのできる人間になろう。②今日のことは今日やろう。明日はまた明日やるべきことがある。
③人間の能力に大きな差はない。あるとすれば、それは熱意の差だ。

クロ-ズアップ現代の最終回で、ゲストの柳田邦夫さんが「危機的な日本の中で生きる若者たちに8か条」を紹介されました。
①自分で考える習慣をつける。立ち止まって考える時間を持つ。感情に流さ
れずに論理的に考える力をつける。
②政治問題、社会問題に関する情報(報道)の根底にある問題を読み解く力
をつける。
③他者の心情や、考えを理解するように努める。
④多様な考えがあることを知る。
⑤適切な表現を身につける。自分の考えを他者に正確に理解してもらう努力。
⑥小さいことでも自分から行動を起こし、いろいろな人と会うことが自分の
内面を耕し、人生を豊かにする最善の道であることを心得、実践する。
特にボランティア活動など、他者のためになることを実践する。社会の隠
された底辺の現実が見えてくる。
⑦現場、現物、現人間(経験者、関係者)こそ、自分の思考力を活性化する
最高の教科書であることを胸に刻み、自分の足でそれらにアクセスするこ
とを心掛ける。
⑧失敗や壁にぶつかって失望しても絶望することもなく、自分の考えを大切
にして地道に行動を続ける。
万年青年の気概を持つシニアにとっても、多くの示唆を与えてくれます。