昨夜も大きな揺れを感じました。上天草を震源として、震度4もあったそうです。熊本震災史ともいうべき企画展が、今月21日(日)まで熊本県立美術館本館で開催されています。
会場は、隣接した細川コレクション常設展示室です。

パンフレットには「歴史に見る地震の爪あとと、復興を目指す人々のあゆみ」とあります。

今回は坂本龍馬の手紙の講演会の聴講などで時間がなく、入り口にある受付で展覧会図録を買ってきました。一冊1000円で貴重な図録です。

表紙は被災した熊本城です。
図録には、(財)永青文庫所蔵のの絵図や古文書が多数掲載されています。

この図録にあった次の4枚は、熊本県立美術館のHPからの転載です。
明治時代に「往時の熊本城を偲んで描いた情景」です。
私の好きな鳥瞰図、坪井川の上空から描かれています。

寛政4年(1792年)の「雲仙岳の山体崩落で生じた有明海沿岸の津波被害の絵図」、江戸時代最大級の自然災害だそうです。雲仙普賢岳の噴火、有明海を襲った津波の様子を描いた、いわゆる「島原大変肥後迷惑」です。

寛永10年に頻発していた熊本地震の記録(1633年)、細川忠利の手紙です。加藤家から細川家に移り、熊本に赴任して余震に悩まされている状況が綴られているそうです。

明治22年の熊本地震の様子を描いた版画(1889年)、東京朝日新聞に折り込まれた「金峯山地震」です。
昨年の熊本地震以前に、熊本に起こった最後の大きな地震です。
図録には、被災した熊本城の古写真が何枚も掲載されています。

先週の土曜日(5月6日)の二の丸公園から撮った熊本城の修復工事です。

図録には「歴史をひも解くと、熊本城の歴史は被災と復興の繰り返し」とありました。震災のたびに乗り越えてきた先人たちの記録は、大きな励ましです。