先週の土曜日、熊本県立美術館講堂で「坂本龍馬の手紙を読む-その面白さ-」という講演会を聴講してきました。

講師は京都国立博物館学芸員の宮川禎一氏です。
考古学が専門だったそうですが、今は龍馬の手紙の研究者として著名な方。年初、龍馬の新発見の手紙が報道された時も、マスコミに登場されていました。講堂は後ろには立った方も多く、熱心な聴講者で溢れていました。
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当日配布された4ペ-ジの資料の冒頭部分です。ほんの数行の手紙の文章を元に延々と、背景に何があるか龍馬の想いを熱弁されました。
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取り上げられた手紙は、3通です。
○薩長同盟が破たんしそうな夜、龍馬が脱藩した後、珍しく親族に心配をか
 けたことを詫びている心情を綴った手紙。
○姪の春猪への手紙、龍馬の手紙のベスト3に入るとか。その日起こった桂
 と西郷のあつれきのストレスが、春猪への悪口という形でハラスメントに 
 表現されていると。
○寺田屋襲撃事件で襲われた後、薩摩藩邸で小松帯刀や西郷らと大笑いした
 手紙。龍馬が襲われ、薩摩が助けたことによって薩長同盟が露見して、薩 
 摩が後戻りができなくなったこと。薩摩が退路を断ったことによって、奉
 行所がまったく手を出せなかったことを大笑いしたと。
 日本の歴史の方向性を定めた手紙と、強調されました。

たった数行を面白おかしく、2時間近く聴講者をくぎ付けにされました。
2017年は坂本龍馬の没後150年、「龍馬は手紙の中に生きている」と力説されました。