今日の熊本は、久しぶりにさわやかな朝を迎えています。
梅雨の合間に、少し前に放映されたNHK BSプレミアム「日本文学研究者ドナルド・キ-ン」の番組の単行本を読みました。
「私は日本語そのものに惚れたと言えます。面白くてたまらない」とキ-ンさん(94歳)は4年前、日本国籍を取得されました。

狂言のけいこに励む若き日のキ-ンさん

キ-ンさんの言葉です。
・別の文化に接して、最初は違和感を抱くことでも自然に自分の一部となっ
ていく。
・応仁の乱でたった三つの寺院だけが焼き残った京都..そして、次の10
年、20年で今日まで続くほどの生命力を持った文化が生まれました。
日本人にはそういう底力があると私は信じています。
・応仁の乱という全面的な破壊の後にも、日本人は都を再建するだけではな
く、素晴らしい文化を花咲かせたのです。太平洋戦争が終わったときにも
日本は壊滅的な状態でした。しかし、日本は蘇ったでしょう。日本人には
そういう底力があるのです。東北も必ず蘇ると何度も言いました。そうで
あるように心から祈っています。
・人間が憎悪を忘れて、お互いに美しいものを創ることができたら素晴らし
い世界になる。
・東日本大震災の混乱の中でも、略奪や犯罪行為がほとんどなかったこと
で、世界の人々は日本人を見直したと言えます。
・世界で最も強いのは一流の文学、文学は一番残るものなのです。
(古典文学が)文法の教科書になっていること自体が根本的な間違いで、
まずは現代語訳から読み始めて、物語の美しさそのものを理解すればよい
と私は思っています。
キ-ンさんの著書を探したら「百代の過客」「日本文学の歴史(全18巻)」が書棚にありました。