昨日の午後、現在は熊本県立劇場館長の姜尚中さんの講演会が荒尾総合文化センタ-で開催されました。さすがに人気が高く、九州各地の遠方から多くの聴講者が訪れていて満席でした。
チケットは事前に完売で、あきらめきれないで帰る人の姿を多く見かけました。私もキャンセル入場券を入手でき、やっと入れました。幸運でした。

①姜尚中さんの講演会
②姜尚中さんと映画監督の行定さんとのト-ク
③映画「うつくしいひと」上映の3部構成でした。
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姜尚中さんの講演の様子です。
・4月14日の夜にホテルキャッスルで被災した前震、震度7の体験。
・今回の熊本地震をどうとらえるか、阪神淡路地震、東日本大震災との対比
・今後どう向き合っていくか。
・映画「うつくしいひと」に美しい熊本の風景の映像を残せたので、どう取
 り戻していくか。
40分の予定を超えて、そのまま活字に残るような流暢なお話が続きました。
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復興支援事業として全国各地で上映が始まっていて、上映会場では義援金も受け付けているそうです。うつくしいひと」の続編も計画中とか。
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その姜尚中さんのお話で、私が心に残ったことです。
・熊本は明治22年に大きな地震に遭遇(その7年後に漱石が熊本に赴任し 
 てくる)したが、その震災の記憶が十分に伝承されていたか。
 人間は記憶を持っているが、忌々しいことは忘れようとする。記憶の伝承
 があるかどうかが、東日本大震災でも生死を分けている。
・阪神淡路でも復興には20年かかっている。この震災の記憶を、映像の力
 で末代まで伝えて欲しい。
・人間はいつでも不幸のタネのもとで生きている。それをどこまで引き受け
 られるかだ。今回、家屋が大きく揺れただけでなく、宙返りして凶器にも
 なった。雪国は雪害と生涯付き合う前提として生活設計しているように、
 天災が人災にならないように、防災、減災について見直すべきだ。
日本は震災を前提に、防災事業のために国は予めファンドで基金を備える
 べきだ。格差社会の始まりが、阪神淡路大震災のような気がする。
・当たり前のことが生活できていることが奇跡で普通の人、これが「うつく
 しいひと」だ。