熊本の近代史講座を図書館から借りて読みました。
熊本県内の各市町村で刊行された、市史編さん委員長の猪飼隆明先生を中心として、平成24.6~25.12の約1年半をかけて延べ16回の講座が開催されています。
①今年3月、熊日出版から発刊された講義録です。

②その演題です。各項目とも読みごたえがありました(右下に拡大ボタン)


③「西南戦争と熊本の近代化」から
日本の近代化の原点は西南戦争にあるのです。近代日本や熊本の政治も経済も教育の原点は西南戦争です。熊本城や田原坂の資料館は、西南戦争はどういう戦いで、日本や熊本の近代化にどういう影響を与えたかを発信する拠点であって欲しい。

④「矢嶋4姉妹の先進性」から矢嶋家関係図。
女性が本来男のすることの垣根を越えて、女性が自分の力を発揮する場を自ら見つけていく。これが矢嶋家と熊本の女たちです。

新肥後講座の中から抜粋です。
・開国前夜の熊本藩の様子は、熊本藩の幕末の郡代中村恕斎の日記が残って
いて、開国前夜の熊本藩の様子がリアルに記録されている。熊本大学が所
蔵しており、文学部教授の吉村豊雄さんが熊日に連載され「幕末武家の時
代相(上・下)」として本になりました。目からウロコがぽろぽろ落ちる
ほど面白い。
・横井小楠は熊本で用いられることはありませんでした。熊本がいわゆる雄
藩の名、雄藩に並ぶ藩にならなかった一つの理由です。
・横井小楠が明治政府の設計図を書き、そのことで目標が見えた薩長が討幕
を行い、明治を迎えるわけです。
・勝海舟は氷川清話で小楠の良い弟子といったら、安場保和一人くらいのも
のだろうと話している。
・小楠の殖産の考えを近代日本の中で具現していった安場保和は、勝海舟が
いうように「小楠の良き弟子」と言えるでしょう。
・宮崎滔天が「三十三の夢」を出版しなかったら、中国の革命運動は進まな
かったと言えます。三十三の夢が中国語に翻訳され、さまざまな団体が生
まれたのです。
この本を通して、次の書籍も知りました。
・長崎市立図書館図録「マンスフェルトが見た長崎・熊本(2012年)」
・「肥後学講座Ⅰ~Ⅲ」、「歴史回廊くまもと魅力発見の旅」