今年は大正の広重と言われた吉田初三郎の没後60周年です。先月大牟田市三池歴史資料館で開催された、鳥瞰図の吉田初三郎研究家・益田啓一郎氏の講演会を聴講してきました。
益田さんは先月末NHKBSプレミアムの「ブラタモリ・福岡と鉄道」の番組にも、タモリさんの案内として出演されていました。
ご覧になった方も多いと思います。
①②講演会場は熱心な聴衆で埋め尽くされていました。
2枚のスライドショ-です。

③吉田初三郎はデフオルメの鳥瞰図を2千点以上制作しています。益田さんは研究家として北九州歴史博物館で開催された企画展も協力されています。
書棚にあったその特別展の図録です。

④昭和11年の大牟田市役所落成記念の大牟田市鳥瞰図です。

⑤同じく昭和10年に描かれた大牟田市鳥瞰図です。ポストカ-ドを聴講者に配布されました。

⑥益田さんが蒐集された九州各都市の鳥瞰図です。吉田初三郎の九州関係の資料を数百万円かけて遺族から分けて頂いたそうです。
会場で手に取って自由に見せて頂きました。

⑦吉田初三郎が描いた福岡市、久留米市の鳥瞰図です。

⑨同じく北九州八幡、長崎関連の鳥瞰図です。

吉田初三郎の作法の特徴は①徹底した現地主義②風土や伝統を描きこむ③10人の弟子との連携作業で多作化④印刷技術を駆使した作風⑤ア-トディレクタ-⑥元祖観光カリスマ⑦日本の観光イメ-ジを創る、掘り起しにあるそうです。九州・山口エリアは160点余りで、その1/3は都市図です。
益田さんには、なんでも鑑定団の依頼もあるそうです。益田さんは在野の研究家として、地道に資料を蒐集し研究されているお姿に敬服しました。
アソシエ地図の資料館のホ-ムペ-ジ「鳥瞰図絵師吉田初三郎」のサイトで
多くの鳥瞰図が公開されているのでお勧めです。