先日、梅田芸術劇場でミュージカル「愛の不時着」を観劇してきました。今年最後の観劇体験です。
私はもともと韓流ドラマに疎く、この作品も予備知識ゼロで観劇しました。それでも十分に楽しむことができました。細かいストーリー展開を完全に把握しているわけではありませんが、全体の雰囲気を存分に味わえたと思います。
物語の中心は、朝美絢さんが演じる北朝鮮の無骨な軍人と、夢白あやさん演じる韓国の財閥令嬢のラブストーリー。
特に朝美さんの役どころは、今時のスタイリッシュなヒロインに心を奪われ、ぎこちないながらも彼女に尽くそうとする姿が宝塚のヒーロー像としては新鮮で、どこか可愛らしさもありとても魅力的でした。
一方、夢白さんは華やかさと舞台映えする演技で、一瞬主役を超えるような存在感を放っていました。そのハイテンションな演技は、まさに彼女らしさが光るものだったと思います。
ただ、主人公が他の軍人たちと同じ迷彩服を着ていたためか、どうしても背景に埋もれてしまうように感じる場面がありました。それでも、この作品の醍醐味は、深く考えずに美しい二人の愛の物語に浸ることにあると感じます。先日観た「FORMOSA」とは異なる魅力が詰まった作品でした。
また、今回特筆すべきは華純沙那さんの演技です。プライドの高い美女役を見事に演じ切り、これまでの楚々とした印象を覆す鮮やかな存在感を放っていました。この新しい一面には驚きと感動を覚え、彼女がさらに大きく成長していく可能性を感じさせました。
観劇場所も特別な体験となりました。今回は3階のBOX席という珍しい場所で、座席表を見た時は驚きましたが、実際に座ってみると舞台全体と観客席の光景を一望できる絶妙な位置でした。まるで特等席のように感じられ、意外な楽しさがありました。
終演後の挨拶では、朝美さんが「この公演を大掃除の活力にしてください」というようなことを話され、年末にふさわしい温かい締めくくりとなりました。今年最後の観劇がこの素敵な作品で、本当に良かったです。
年末の忙しさの中で、心に響くひとときを過ごせたことに感謝しつつ、新しい年も素晴らしい舞台に出会えることを願っています。