女性にとって老いるということはある意味残酷である。そうではない側面があることも十分知った上で、若さと美しさという一面のみについていえば、年を重ねていくことを私は悲しく思う。それはしかたのないことであるのだけれど、…。
デミ・ムーア主演の映画「サブスタンス」を観た。随分前に予告を観た時から、面白そうだなと思っていた作品だった。
ストーリーは、ワークアウトのレギュラー番組を降板させられたもう若くはない主人公エリザベス(デミ・ムーア)が、ある人物から知らされた方法で若返り、降板された番組のオーディションを受けて採用され人気を博して行く…とそんなストーリー展開なのだが、色々突っ込みどころのある映画である。うっかりネタバレも書いてしまいそうなので、ご覧になっていない方は、そのつもりで。
この映画では、若返る"自分"がエリザベスの背中から映画「マニトウ」よろしく生まれ出てくるという摩訶不思議なスタイル。ならばエリザベスは脱け殻と化すのかといえば、さにあらず。新しく生まれた「スー」によって背中を縫い合わされ、栄養を補給されながら生命を維持していく。このカラクリ自体肉体の常識を考えれば、何の説得力もないのだが、ぶっ飛び過ぎている故に面白いといえば面白い。おまけに一週間ごとに交代するのも、何で?という感じではあるが、決まりは決まり。おまけに交代するまでの間、すっ裸のままバスルームの床に栄養パックに繋げられて放置。監督が女性とはいえ裸のシーンがやたら多い映画だ。観ていて痛々しい。
結局エリザベスは本来の老いたボディーと生まれ出でた(?)新しいボディーと2体になるわけで、全くあり得ない状況。しかし、この状況がストーリーを面白くてしているとも言える。
一週間ごとに交代しなければならない決まりなのに、若いボディーへの執着が、決め事を破り本来の自分にダメージを与え続けていき、遂には…怒涛のラストシーンへ。
ストーリーの途中までは、若さへの執着は共感も出来るし、決め事を破ったことでどうなるかという面白さの期待感もあったのだが…ラストシーンはもはや突然のB級ホラーに成り下がり、えげつないスプラッターでガックリきた。
それにしてもこの裸まつりスプラッター映画に、何ゆえデミ・ムーアが出演のオファーを受けたのか…。
撮影当時デミ・ムーアの年齢は恐らく60歳前後。裸で演じる事の多いこの映画では肉体の加齢によるたるみは、共演の若い女優マーガレット・クアリーとどうしても比較の対象となるし、またそれがこの映画の監督のねらいでもあったわけだろうけど…。
かつて映画「ゴースト」で、美しい涙を流したキュートなデミ・ムーアの印象が強く残っている私にとっては、彼女にとって何得の作品なのかと残念である。
言ってみればカラダ自体が商品の女優にとって、60代というのはいかに美人であっても、仕事のオファーの数は減って行くものだろうとは思う。その数少ないオファーの一つがこれだったのだろうか…。
デミ・ムーアの事に関してウィキペディアを見たら、ブルース・ウィリスとも2000年に別れ、その後アシュトン・カッチャーと結婚し離婚していた。現在はアルツハイマー病を発症したブルース・ウィリスのサポートもしていると書いてあったが、独り身のようだ。年金制度はあちらの国にはないでしょうね。女が一人で生きていくって大変なことだなーと思う。
ところで、この映画を観終えてから、大昔もこんな映画あったなーとそんなことを思い出した。
昔、テレビの深夜枠で時々映画を放映していたんだけど、なかなか面白い作品があったのだ。そのうちの一つが、もはや若くはない大女優が、開発された新薬を注射して美貌を取り戻すのだが、副作用が激しくモンスター化するというストーリーだった。その題名が全く覚えていないのだ。
しかし今の時代、Google様にお伺いすれば必ずや答えが見つかる。あの手この手で、質問をしつこく繰り返すうち、「ザ・リジュビネイター」という作品が出てきた。感でこれらしいと思い、英語で"the Rejuvenator"とYouTubeで検索したら、字幕はないけど映画も本編が出てきた。邦題は「変革細胞ジュベナトリックス」。覚えづらい題名だよ全く。
1988年公開のアメリカの低予算ホラーと書いてあるけど、薬の効果が切れて恐ろしい姿に変貌する様子はなかなか良くできていた。
悲惨な状況から注射を打って、カメラが横移動して遮蔽物から出てきたときには、すでにもとの状態に変わっているという、低予算ゆえの安易な入れ替わり。
主人公は薬の副作用でさんざん苦しんだのに、注射一発で、肉体も精神も通常通りに一瞬で変わる様は漫画チックでもあった。
でも、ラストシーンでは「まあ、そうなるわなー」というベタな結末ではあったけれど、私の中では面白いホラーとして心にいつまでも残り続けている。
考えてみたら、30代の頃に観た映画だった。今の私はデミ・ムーアより年上。
本当に年取るのは嫌だわー。
下着は一年中タンクトップの私。北海道に住んでるけど、寒さなんか感じたこと無かったのに。今年は寒さを感じるー。
頭髪も頭頂部の毛に元気がなくなってきた上に、すかすかしてきた。頭も今年は寒いー。
もし若返る薬が開発されたら…私は使わない!自然には逆らわない方が良い。人生には始まりがあって終わりがあるもの。来世に期待するわ。