私は産まれなから孤児として

育てられ

周りにいくら人がいても

何をしていても孤独を感じていた。

里子としてこんな出来損ないの私を

親として迎えてくれた母

こんなにも、ちっぽけで弱虫な

私の妻になり、新しい命を

この世界に産んでくれた妻


その両方を亡くした時

「この世は地獄だ」

そう、思っていた。

「困っているひとがいたら
決して通り過ぎるな」

その言葉を信じて、これまで

生きてきたけど

「この世界に希望はない」

さらにそれを確信するだけだった。


写輪眼を身体に刻み、

妻と母の死を、決して無駄にしないようにと

いきてきたけど、

結局は何も見えなかった

何もなかった

もう何もかもどうでもいい、そう思った。

その考えは本当は間違いじゃないかも知れない

母を亡くし、妻を亡くし

そのあと友も亡くしたから

やっぱりこの世界は地獄だと思った。

でも、眼をこらしてハッキリとは

分からないけど見ようとしたんだ

母と妻がくれた言葉があれば

見える気がしたんだ

私は自分の夢も

現実も諦めたりはしない

信じる人が集まれば

希望も形となって見えてくるかもしれない

私はそう思んだ。

今日私はいつもつけていた

写輪眼を外した。

希望と共に歩けるように

そして、本当に守るべきものを

ちゃんと自分の目で見るために