例の一件から、しばらく経つ。
日常が戻ったように思える中で、時々不安が襲ってくる。
また、以前のように夫が借金したらどうしよう。
今度、借金したら離婚。
夫には既にそう言い渡している。
心の中で、この生活がずっと続かないかもしれないという
覚悟をもって過ごすようにしている。
子供たちが楽しそうに過ごしている場面に出くわすと、
そうならないことを心から祈らずにはいられない。
私の夫への愛情などはもう別物である。
とにかく、この笑顔をなくさないようにしたい。
その一心だ。
しかし、私がいくらそう思ったところで夫がまた借金をするかは別の話。
結婚してから何度も言ってきたのに繰り返し、その額は大きくなるばかり。
私の手に負えなくなってきた。
借金をするために、まだローンの残っている私たちの住んでいる
自宅を抵当に入れるくらいなのだから。
そんな話を普通に聞いたら、
そんなん離婚やろ。
と私は言うだろう。
しかも、しかもだ。
抵当権の抹消がまだできていないのだ。
借金は去年の話。もう半年ほど経つ。
お金をかき集め、安いローンを組んで返済したのに。
まだ抹消できていないと言う。
抵当権の抹消は司法書士に頼まずとも自分でできると知り、
お金をこれ以上無駄に使いたくないのもあり、夫に頼んだ。
夫の責任であるからだ。
しかし、ほとぼりが冷め抹消できたかと聞いても、できてない の一点張り。
2、3か月に一度聞いてみるが、歯切れが悪い。
ここ最近、パソコンをいじっていた。
抵当権関係のようなページだったので私が聞くと、抹消の手続きだという。
それが2、3回あったので、
できた?
と問うと
まだ。
との返事。
そんなに時間がかかるものなのだろうか。
最後の借金が発覚したときに約束した。
スマホチェック。
正直あまりやりたくない。
が、私が不安に襲われたときチェックせずにはいられない。
イヤでも子供たちのため、その行為が借金の抑止力にもなると思っている。
今までが甘かったのだ。
おかしいなと思った時でも、夫が嫌な顔をするからスルーしていた。
それではダメなのだ。
2、3日前にチェックをした。
夫はとても嫌な顔をした。
借金が発覚して、なんとか手続きをした直後はすんなり渡していたスマホも、
時が経つとともに、徐々に表情に嫌悪感をあらわし始めた夫。
俺を信用できないのか とでも思っているのだろうか。
何度も信じて裏切られてきたではないかと言いたいが、我慢。
今日などは急に実家に行ってくると言う。
何故?
急に?
めずらしいことだ。
まさか金の工面とかではあるまいな。
何か困っているのか?
夫に対する疑念がふつふつと湧いてくるのが分かる。
これは妻の勘なのだ。
ちょっとした、些細な、そんなことがあっておかしいなと思ったとき、
日常の忙しさにかまけてスルーしてきた。
それが後で大きな問題に発展していった。
そういえば、今朝私が朝食を食べていた夫に近づくと、スマホの見ていた画面を慌てて消した。
それはFX,借金をしてた時によくあった光景だ。
胸騒ぎがする。
それ、何見てた?
すぐに聞けない私。
聞いたら嫌な顔するのが目に見えている。
何故、こんなことを心配しなければならないのだろう。
情けないが、私は子供たちの為に頑張らねばならぬ。
負けるか。