看護師さんに赤ちゃんを預け、私は自分が数日過ごす病室へと案内されました。
私が第一子からお世話になっている病院の病室は全て個室なのですが、ひと部屋だけ、追加料金無しで過ごせる広めのお部屋があります。
この部屋になるかどうかは、病院スタッフの判断によるのですが、案内されるのはお得意さん?的な妊産婦でした。
私も第三子の出産で、かかりつけ医2度目の入院時(第二子は総合病院で出産入院)その病室で過ごさせてもらえ、なんだかちょっと嬉しかった記憶がありました。
だから、今回も、またその部屋で過ごせるかなぁ…
なんて、ちょっと期待をしていました。
看護師さんの案内で病室の並ぶ廊下を歩きます。
しかし、私が期待していたお部屋は素通りされ、中も開放されて空き状態となっていていました。
やっぱり、一回転院した身だから仕方ないか。
いやいや、受け入れて貰えただけでもありがたい。
そう、思いました。
歩きながら看護師さんが、
お部屋は一番奥になります。
ごめんなさいね、遠くて。
と、おっしゃいました。
私は内心、
あー、やっぱり転院だとそうかぁ。
と、思いながら看護師さんの後に続きました。
一番奥の部屋に到着しました。
看護師さんが扉を開くと、今までの個室とは全然違う間取りのお部屋でした。
窓も大きくて、とても明るい。
中も広くてシャワー、トイレもある。
特別室だったのです。
しかも、かかりつけ医が一般的に紹介している特別室とも違う部屋でした。(過去にかかりつけ医の母親学級に参加した時に見学した特別室は別の部屋でした。仕様はこちらの方が上だと感じました。)
今まで、約10年、かかりつけ医にお世話になったけど、こんな部屋があるなんて知らなかった。
部屋の様子が目に入った瞬間、驚きました。
おそらく、この病院で一番良い部屋を用意してくれていたのです。
私は、涙が出そうになりました。
こんなにも歓迎していただけ、本当に、本当に、ありがたいと思いました。
かかりつけ医は全部屋個室だし。
もう充分なのに。
転院できただけでも嬉しかったのに。
看護師さんは、笑顔で「お着替えしてゆっくりしていてくださいね。」と言い、部屋を出ていかれました。
ここに帰ってくるまで、本当に、いろいろあった。
でも、最後の最後にこんなにも良くしてもらって、感謝しかないよ。
本当にありがたいなぁ…
とりあえず荷物をと思い、一旦、部屋を出て夫に荷物の搬入を依頼することにしました。
夫を連れて、再び、病室に戻ります。
部屋を見た瞬間、夫が
え?特室??
料金、大丈夫かな…
と、心配していました。
あ、確かに…
夫の冷静なつぶやきにちょっと笑ったりして。
荷物を入れ込み、もう一度、夫と車に戻って、子ども達とお別れをしてまた部屋に戻りました。
こんな贅沢なお部屋、なんだか落ち着かなくて。
赤ちゃんが帰って来るまで、ひとりでソワソワとして過ごしました。
無事に帰ってこれて、本当に良かった。
今、産後入院でここにいる。
2年前の私。
あれから頑張ったね。
無事に生まれて、かかりつけ医に帰ってこれたよ。