帝王切開による出産から1日が経ちました。


私個人としては、帝王切開は手術当日だけが辛い。

痛みで動けず、ぐっすり眠ることもできない夜さえ過ぎれば、あとはもう、回復に向かうだけだと感じています。


今回の術後も、もちろん、痛みはありましたが、消灯時間の頃には痛みにも慣れ、自分で寝返りをうてるレベルにまで落ち着きました。

うつらうつら眠りながら、朝が来るのを待ちました。



術後1日目には食事も開始。

回復も良好で、お昼には歩行も開始。


暇だし、身体は痛みや凝りでバキバキだったので、ストレッチをしたりしてのんびりと過ごしていました。


窓の外は寒空。

でも、天気は良くて。

窓から降り注ぐぽかぽかとした陽気をのんびりと眺めていました。




すると、病室に担当医の先生がやって来ました。



先生が、


めち子さん、こんにちは。

昨日は眠れましたか?


と、聞いてきました。



私は、


まぁ、うつらうつらですけど…

眠れました。


と、答えます。



すると先生は、


あのね、めち子さんの子宮。

もう上の方が薄くなってるんだよ。

だからもう絶対に妊娠したらダメだからね。

今回はなんとか(癒着していた)膀胱も剥がしたけど。

次やったら膀胱に穴開くよ。


(避妊用の)器具入れたって、これも完全じゃないんだからね。

今までにも器具入れてて「妊娠しました」って人いたし。


中には旦那さんがパイプカットする人もいるよ。

心優しい人は「今度は僕が頑張る番だから」って言ってね。

旦那さんとも話し合ってください。


と、おっしゃいました。



私はそれに対し、


はい、分かりました…


としか言えなくて。



先生はそれを伝えると部屋を出ていかれました。




あぁ、そこまで言われないといけないのかな。



今までの妊娠、5回とも、全て望んで授かった。


それぞれ、計画的に妊娠してきた。

2人目からは帝王切開だったから、ちゃんと、医師の指示通り、1年以上明けて妊娠していた。


今回は早剥のリスクに加え、帝王切開が4度目にもなるから、ちゃんと帝王切開3回目に執刀してくれた先生に、子宮の状態を確認した上で妊娠に踏み切った。

でも、なかなか妊娠しなくて、ちょっと諦めかけたりもした。


そして、ようやく、昨日。

やっとの思いで出産まで行き着いたのに。



医師として、伝えないといけないのは分かる。

でも、そこまでクドクドと言われると…


言い方は悪いけど、世の中には理解力も低くてポンポン妊娠しては育てられず、子どもは施設に預けるご家庭があるのは知っている。

でも、うちはちゃんと考えての上だし、ちゃんと養育する能力だってあるよ。


身体の事だってちゃんと考えているし。

今までの私達の妊娠経歴でもわからないかな。



もう本当に辛かった。

しかも後々知ったけど、パイプカットの話は夫にも実際にしていたそうで。(夫は聞き流したらしい。)



ようやく出産を迎えて、幸せいっぱいのはずだったのに。


なんだか責められてばかりのような気持ちになって。

凄く悲しくて。



そんな事を考えていたら、看護師さんが


めち子さん。

今日から母子同室です。


と言って、赤ちゃんを連れてきました。



ようやく、ちゃんと顔を見ることができた。



肌が白くて、目がくっきり二重で、とっても可愛くて。

すごくキレイな赤ちゃんだった。



それなのに、なんだかツライ気持ちの方が大きくて。



やっと、やっとの思いで産めたのに。



なんでかな。


祝福されない夫婦なのかな。



そう思ったら、涙が止まらなくなって。



スヤスヤと眠る赤ちゃんを見ながら、ぽたぽたと涙がこぼれてきました。



それを見た看護師さんは、きっと「死産後の出産だったから、感動したんだろう。」と、感じたと思います。



私に対し、


またあとで説明に来ますね。


とだけ伝えて病室を出ていかれました。



穏やかで明るい病室の中。

ようやく会うことのできた赤ちゃんを目の前にして、しばらく、私は涙がこぼれ続けました。