診断書に記載されていた休職期限が間近となりました。
かかりつけ医に行くため、ひとり、車に乗り込みました。
ハンドルを握り、病院へと向かいます。
大きな河川に架かる橋に差し掛かかりました。
私の視界には、もくもくとした入道雲が浮かぶ青空。
車外の暑さが目に見えます。
1年前の通勤途中、私は、この場所で
あ、たぶん、妊娠してる。
と、思いました。
あの時の私は、迫りくるつわりにソワソワしていました。
まさかこんな未来が待っているだなんて思いませんでした。
あの時も、今日と同じような真夏の景色が広がっていました。
病院に着き、自分の診察を待ちます。
今日もまた、赤ちゃんがいて、しかもふたりもいて、いいなぁって、思って見ていました。
かわいいなぁ。
よんちゃんも生きていたらなぁって。
自分の番が呼ばれ、診察室に入ります。
先生に現状として
前回受診時の腫れは抗生剤で落ち着いたこと
今もたくさん動くと痛むこと
を伝えて、エコー検査に移りました。
先生は患部を見て、
「あ、だいぶ落ち着いたね。これならもう手術もしなくていいよ。エコーで子宮も写るようになってきたよ(前回は子宮が見えないほど血腫が大きかったらしい)。血腫もあとちょっとだね。」
と、ちょっと嬉しそうにおっしゃっていました。
そして、
「あとは復帰のタイミングだね。もうこのままお盆まで休んだら?8月いっぱいでもいいよ。」
と提案して下さいました。
私は精神的にまだゆっくりしたかったので、8月末までお休みをいただくことにしました。
先生は早速、9月から職場復帰との診断書を書いて下さいました。
そうなると、かかりつけ医は今日でお終いです。
先生に「今日で最後だと思うので…今までお世話になりました。」と伝えました。
先生は「いろいろ大変だったけどね。また困ったことがあったらいつでも言ってね。」とおっしゃってくれました。
診察室を後にし、会計を済ませ、助産師さんたちにも挨拶をしました。
よんちゃんと通った産婦人科。
今日で卒業です。
本当にいろいろとお世話になりました。
ありがとうございました。
いろいろあったなぁ。
よんちゃんのことだけじゃなく、本当にいろいろあった1年だった。
これから先、私はどんな人生を歩むのだろう。
でもここには、また、帰ってきたい。
今度は、かわいい赤ちゃんを抱っこして、みんな笑顔で卒業したいなぁ。
よんちゃんが生まれてきたからこそのこの人生。
今の私はやっぱり苦しくてツライ。
ツラいけど、よんちゃんが私のお腹にきてくれて本当に嬉しかった。
だから、ツラいだけの思い出にしたくない。
お腹の中で一緒に過ごした時間は、とっても楽しかった。
これからもずっと、人生は続く。
あなたと共に、悲しみと共に、生きていく。
いつか私が死ぬとき、これで良しと、思えたらいい。