今回の死産。

私は何人かの友人に報告をしていました。


そのうちのひとり。 

学生時代からの大事な友人。 


彼女が大学に行ってからは、本当に数えるほどしか会っていません。

ライン等のやりとりも殆ど皆無。


でも、とても大事な友人です。


彼女には、手紙でよんちゃんの事を伝えました。


元々あまりマメではない友人。(ごめんね。笑)

そんな彼女から直ぐに郵便が届きました。


中を開けると手紙と本が一冊。


手紙を読むと、私のことを本当に心配してくれていて、子供のことも一緒に悲しんでくれていて。

そして、こんな時にこんな報告でごめんなさいと前置きした上で、彼女自身も初めての赤ちゃんを妊娠したと書いてありました。


私は、彼女の妊娠を喜びました。

良かったね、どうかどうか、無事に生まれてね。

そう、思いました。


よんちゃんが無事に生まれていたらなぁ。

親子揃って同級生で楽しかっただろうなぁ。


そんな思いもありました。


彼女は、自分も妊娠中だからこそ、子を失ってしまった私のことを本当に心配してくれていました。

暖かい優しさを感じて涙しました。


涙を拭って、同封された本を手にしました。


その本は初めて見るもので、夏葉社さんの『さよならのあとで』という本はでした。


電気の消えたお昼間のリビング。


ひとり、ソファに腰掛けている私。


静かな中に、真新しい本をめくる音。


 〜さよならのあとで〜


  死はなんでもないものです。


  私はただ

 

  となりの部屋にそっと移っただけ。


  私は今でも私のまま


  あなたは今でもあなたのまま…



1頁、1頁を、丁寧にめくります。


パラ、パラと。


先に逝ってしまった最愛の人から、残された私に宛てたメッセージ。


ポタポタと、涙が出てきました。


すごく、救われました。


この本を作られた方も、大事な方を亡くされ、それをきっかけにひとりで出版社を立ち上げたのだそうです。


大事な友人からの、大事なプレゼント。


ありがとう。


きっとこれから先も、何度も何度も読み返しては、救われると思います。


大事にするね。


もし、私もいつか、大事な誰かが大きな悲しみの中に飲み込まれてしまったら、送ってあげたいと思う。


暖かい本との出逢いを、感謝しています。



夏葉社さん『さよならのあとで』