うちの天使パパは、私よりひとつ年上です。
夫もまた、よんちゃんが亡くなったことで相当な悲しみに暮れていました。
よんちゃんが亡くなった日から、夫は忌引として1週間の休みを貰いました。
お陰で、よんちゃんが生まれてきてから火葬するまでの数日間を家族で過ごす事ができました。
夫は、よんちゃんが亡くなってしまったのは自分のせいだったと自分を責めていました。
私は元々、家のことをなんでも自分でこなしてしまう馬力のあるタイプです。
夫は、夫婦の期間が長くなるにつれ、家のことを任せたきりで仕事に打ち込む事が多くなっていました。
まぁ、それはそれで、うちの家庭のカタチとしていいのでは、私もどうにかこなせるし、と思っていました。
よんちゃんが亡くなる前日は休日でした。
でも夫は、この日も仕事に行っていました。
私は、妊娠後期からお腹が張ることが多くなっていました。
次女はまだ2歳になる前で、抱っこをせがむ日々。
長男長女も活発で、じっとなんかしていられません。
そのことを夫に訴えても、話を聞くだけ。
そんな感じでした。
そして今回、このような事となり、夫は「自分が無理させ過ぎたせいでこうなったのではないか。」と何度も自分を責めていました。
また、手術中に医師から「奥さんもまだ回復しない」と言われ、最悪の事を考えたとも言っていました。
手術前に握手を求めた私。
本当に最後となったらと恐怖でいっぱいだったそうです。
出産後、夫は私をいたわるようになりました。
付き合いたての頃くらい、優しくなりました。
(それはそれで複雑というか…)
私が入院中は、毎日電話をしては後悔の念を口にしていました。
夫も不安定になり、ちょっとしたことで泣いていました。
よんちゃんを失った悲しみと、上3人の子供たちの相手で、心身ともにボロボロでした。
寝室で子供達とテレビを見ているうち、寝てしまったこともあるようです。
朝起きるとテレビも電気を消えていて、おそらくまだ3歳の長女が消してくれたと話していました。
食欲もなく、味のしないごはんを、胃に流しこんでいるようだったと話していました。
忌引のおやすみが終わり、出勤をしましたが、デスクにつくなり涙が溢れて仕事にならなかったそうです。
結局、上司のご配慮で更に1週間のおやすみをいただき、その日も早退してきました。
私だけでなく、夫もまた、辛いのです。
死産の事を知る人は、皆「奥さん大丈夫?」と聞くそうです。
口を揃えて「奥さんは…」「奥さんは…」。
でも、夫からしたら「俺だってツライだよ、俺だって大丈夫じゃないんだよ。」と感じるのだそうです。
無理に励まそうとするのも要らないと言っていました。
「あなたが大黒柱なんだから」「気をしっかりもってね」等、どれも自分自身が1番よく分かっている。
でも、出来ないから、辛くてたまらない。
そう言っていました。
夫は、生々しい大きな傷を抱えたまま、社会で生活しています。
結果として2週間の休暇をいただき、復帰してからもなお、トイレにこもって泣いたりしていたようです。
よんちゃんが亡くなってから1か月が経ちました。
最近ようやく、少しだけ落ち着いてきたように見えます。
あれ以来、夫は仕事を早く切り上げて帰宅するようになりました。
きっと、周りの方からの配慮もあるのでしょう。
温かい職場には、感謝しかありません。
先日、夫にもエジンバラ産後うつ病検査をすすめてみました。
結果は、私よりも高い点数でした。
死産というのは、母親だけでなく、父親にも大きな傷を与えます。
母親は産休等で一時的に世間と壁を作れます。
でも、父親はそうもいきません。
どうかどうか、たくさんの優しさが夫にも向けられますように。
私も、夫を支えたい。
そう思って、非力ながら生活しています。