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「はじめに」

 

 

 

 

悪性リンパ腫と言われ、今後の治療法の説明を受けたあとに、

ふたりきりで相談室に入りました。

 

さちはこの時、自分の身に襲いかかってきたことに驚いたのか、

それとも脳にある陰影の影響で理解半分だったのか、

今さっき話をされたことを完全に理解しきれていない状況でした。

 

言葉も不自由なこともあり、ちゃんと喋れない状態も続いていました。

 

僕は極力さちを元気づけようと、ふたりで頑張って乗り越えていこうと

自分自身にも言い聞かせるように、励ましの言葉を投げ続けました。

それしか出来なかったです。

 

いわゆる【がん告知】というものをされた日です。

 

 

僕の父親もがんでした。

家族全員で【がん告知】された日を昨日のように覚えています。

あれからまだ10数年しか経っていないのに、またこんな日がくるとは・・・。

 

 

さちにバイバイをして、病院を出た瞬間に涙がこぼれました。

それまで我慢していたものが堰を切ったように、泣けて泣けて仕方なかったです。

車に乗り込んで嗚咽するような感じで号泣しました。

 

会社に帰る途中では事故を起こさないようにと思いながら運転しました。

走っては泣き、また走っては泣いての繰り返しでした。

 

ちょっとこの日のことを文章にするのは正直つらいです。

思い出すと泣けてくるからです。

 

 

その日の夜のラインのやり取りでさちは、

「悪性リンパは、ないよ!」

「きっとないの」

「免疫力かてる!」

「がんばります!」

というものでした。

 

僕はこのやり取りでまた泣きました。

そして、さちは強いよなぁと改めて思いました。

 

 

我々夫婦の新たな闘いが始まった日でした。