玄関から出てきた長男は、お友達に「お母さん来てるよ」
といわれ、嬉しそうに私を見つけた。
腕もなんとなく振れている。
「去年さあ、途中で気合入らん感じで、走ってたけれど、今年は大丈夫?」
「えー、俺そんなことしてたっけ?あーでもそうやったかも。今年は最後まで頑張るよ。」
そう言っていた。
なにせ、小さい。スタートで毎年のまれることは本人も織り込み済み。
スタート後、必ず20位ぐらいから準備をし始める。
去年は、4周。ラスト1周ぐらいから目線が落ちた。
≪諦めたサイン≫に見えた。
今年は5周。
ラスト1周からほんの少し目つきが変わった。
1位陸上
2位、3位、5位野球
4位バスケ
そんな競技をやっている子たちは、みんな息子の友達になってくれている。
うちの息子が目指したい5位以内に、憧れであり、仲のいいみんながいて、必死に追いつけ追い越せで走っている。
それが息子の目に入ったのだろう。
ゆっくり確実に順位を上げていく。
わたしの方なんて見るわけもなく、黙々と走る。
あごが上がる、脚が伸びない、そんなことはたくさんあるけれど、
それでも、いじけない。が彼の大きなテーマ。
今年は、大丈夫だったし、もっとイケてた。
終わった後に、またみんなに野球に入ればいい。と勧められているのが、印象的。
最近は、それすらも自らの理由で断っているみたいだが、
そんなみんなの成長を感じる、あと1年を残した、大切なイベント。
次男君は、当たり前だが、きょろきょろして走る。
後ろを見る。
集中力が始めから途切れる。
それでも、周回が増えた今年、一生懸命頑張って、
2つ順位を上げた。
そして、拗ねていじけて順位表を見せてくれない。
写真を撮らせてくれない。
だけれど、彼にとってはそれが大きな成長のひとつ。
少し、順位や羞恥心が出始める。ということは、とても大きな成長。
後ろを振り返っても、ひたむきに走る姿を見せてもらった。
今日も佳き日。