徹的哲学その後 前編 | だっちゃきaスト時々Da-iCE

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愛しの秀太にだっちゃきに騒ぎ捲くったブログも♥
Da-iCEにも拗らせ愛を注ぎまくってます
想太くん贔屓目でDa-iCE小説も(* ´ ェ `*)♥
読んでくれる皆様に愛とリスペクトを♡








「岩岡さんてぇ、お仕事なにしてるんですか?」

「あ〜…フツーのサラリーマンです」

「どこにお勤めなんですかぁ?」

「や、フツーの会社です」

「え〜、フツーってどんな?」

「や、至ってフツーの」

「もぉ〜フツーばっかりぃ〜(笑)」

「あはは(棒)」

「ふふっ、ふぅ〜少し酔っちゃったぁ」

「………ちょ、ちょっとトイレ…」

「え〜、早く帰って来てくださいね♡」









バンッ!



「てか、早くとか戻りたくねーし!!」



トイレのドアを閉めた途端に思わず叫ぶ


超苦手なタイプの女に絡まれて全身鳥肌でまくって
んし!!

なーにが『酔っちゃったぁ』だよ!!酔ったんなら
帰れよっ!!!!💢



蛇かと思うほどクネクネしながら笑って一々触って
くんのがマジでウザい🐍

何なん?!!飢えてんの?!つーか食われるっ!!
マジで勘弁して!!!



「あ〜、もう帰りたいマジで(泣)」




久々に会った大学の先輩に誘われて楽しい飲みの
筈だったのに…

お店で先輩の知り合いだか何だかの女の子集団と
鉢合わせして気が付きゃ合コン状態

しかもぼっち俺と隣に座るクネクネ女だけときた

酔っ払いどもは、くっ付けようと余計な世話やき
だすし、相手はその気になってくんし!!
何、この生き地獄?!!!!


あーーーーっっ!!!!帰りてーーーー!!!!!
つーか帰っていい?もう、このまま帰っていい?!
いいよね?!!ねぇー!!!誰かーーーーっ!!!

って何度心ん中でさけんでみたって、なまじ先輩の
知り合い繋がりとかじゃそれも出来ねーし



「あ〜もう、マジ泣く、泣くよ?」



昔っから、割りかし変に女脳な所があって

男の前でだけ別の顔見せてる奴とか、女子の考え
てることとか直感で見抜けたりする


「酔っ払っちゃった〜」とか、しな垂れるかかる
なんて『こんなスグ酔っちゃう可愛い私』の演出
ってくらい、表情でバレバレだし

許されるなら「じゃあ帰れよ」って言ってやりたい


可愛いと思ってやってんだとしたらマジ最悪だから
男の前でだけ可愛く見せてくる計算高い女、超苦手




鏡に映る死ぬ程嫌そーな顔した自分の眉間を撫でて
ため息をつく





彼女が欲しいとか…思わない訳じゃない



周りも段々結婚しだしてるし?
実家帰れば親もうるせーし?
一生独身でいる気もねーし?
女嫌いな訳じゃねーし?


でもさ、そう言う計算する女じゃなくて…
付き合うなら素直な子がいいんだよね



笑いたい時は笑って、食べたい時は食べてってさ
自分の感情に素直な裏表のない子がいい


とは言ってもなかなか居ないじゃん?そんな子
男も女も良くみられたいのは当たり前だしね

そう割り切って付き合って見るけど…
でも、一緒にいると見えて来ちゃうんだよねぇ
そうすんと、もう萎えまくり

だから誰と付き合っても長続きしないんだって
分かってんけどさ



「はぁ…仕方ねー…すんげぇだけど戻るか」




気持ちと裏腹に裏切れない男の友情の為に無理やり
脚を進める為に力を入れて生き地獄へと戻る





「岩お、……か、くん?」







自信なさげな上に、不確定な呼びかけに振り返る






「あ!やっぱりだ(笑)」



「あ…あーと……あっ、日高の?」





軽く、記憶遡って思い出しました風を装ってみた
俺の目の前に立つ親友の彼女は嬉しそうに微笑む



「良かった、人違いじゃなかった」

「…いわお君?(笑)」

「や〜人の名前覚えるの苦手で(笑)」




気持ちが良いほど楽しそうに笑う姿に防御を固め
てた鎧が外れてく




「あ、その前に私の事覚えてくれてて良かった
思わず声掛けちゃったけど、誰?とかなったら
どうしようかと焦っちゃった」





覚えてない訳ない



さっきまで散々苦悩してた俺の女の子に対する概念
全部ぶっ壊してくれた君のこと




アイツからノロケ話聞かされるたんび
思い出してましたよ、コッチは









「日高と?」

「ううん、会社の飲み会なんだけど〜そろっそろ〜
抜けようかなとか思って」

「え、抜けんの?」

「大体この後酔っ払った課長が昔話し出して最期は
社歌を歌い出すって地獄のパターンだから、皆んな
コッソリ帰っちゃうんだよね(苦笑)」

「そりゃ帰るわ(苦笑)」



奥の自分がいたであろう個室の方向を背伸びをして
確認する姿は真剣で

でも必死につま先立ちする小さな身長とか真剣な顔が
どこか子供みたいで思わず頬がゆるむ



「あ、ごめん!岩岡くん戻んなきゃだよね」

「や、俺も出来たらフェードアウトする手段を必死に
探してたとこで…あ!ちょうど良い(笑)」

「(。・ω・。)???」








あのクネクネ蛇女の隣に座る生き地獄より、先輩の
冷めた視線を選んだ俺は


恐らく「全部顔に出る」と、人から良く言われるで
あろう日高の彼女の固まった笑顔と並んで

「や〜、本当偶然!偶然なんすけど中学の同級生が
名古屋から出て来てて!泊まってるホテルの場所が
分かんないって言うんで送って来ます!すいません
この埋め合わせは今度するんで!」



通るはずもないであろう言い訳を残し刺さる視線も
気付かないフリして店を出た